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If.七種目の召喚者(イレギュラー)  作者: 石原レノ
全てが変わる日…変えようと誓った日
183/313

死を超える

「ゲほっ!な、なんでぇっ!?」

「喋られること自体おかしいのに…」

胸に突き刺さった矢を抜き取り、その場にかがみ込むシャーマック。慈悲の表れとでも言うように、ツバメとツバキは身を引いた。

「終わったんだよね?」

臨終(ハデス)は死を司る技術。私が設定した余命はあと五分」

無慈悲にも余命宣告をするユア。シャーマックは恨めしそうにその光景を見つめていた。

「し、死にたくない……死にたくない…っ!」

顔を青く染め、自らの死を真っ向から否定したシャーマックは、未だ自分の胸部を押さえつけている。ただ、それを見て、ユア1人が微妙に顔をしかめた。

「……まさかね」

「この僕が…このボクが……こんな…っ!」

「お、終わりよ!もう観念しなさい!ユアが術を解かない限り、あなたに勝ち目なんてないんだから!」

「そ、そうです…!これに懲りてもう来ないことです!」

ツバメとツバキがそう告げる。しかし、ユアはそうは思わなかった。あのシャーマックが、こんな事で簡単に決着がついてしまう男には思えなかったからだ。それに、術が発動したなら、ユアのそれにはちゃんと合図がある。

それが、今まで出てきていない。

「…………」

急に黙りこくったシャーマックを前に、ユアの感情は焦りで染まった。

「2人とも、構えて……」

「え?どうして?終わったんでしょ?あなたちゃんと当てたじゃない」

「………………ぷっ」

ツバメの答えに、シャーマックは思わず吹き出してしまう。相手の哀れさに、無力さに、そして、自分の強さにーー

「あっはははははは!本当に勝ったなんて思ったんだね!」

自分の胸部を、傷も何も無い胸部を露わにしたシャーマックが、無慈悲にそう告げた。

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