3人1組
「ツバキちゃん…ツバメちゃん……」
「私達が来たからにはもう大丈夫よ!」
「ご心配をかけてごめんなさいです。私たちはこの通り大丈夫です」
既に自身の精霊を武装し、戦闘準備は万端のふたり。その顔を見て安心したのか、不意に涙が頬を伝った。
「良かった…本当に良かった……」
「ほら、泣いている暇なんてないわよ!ツバメとツバキがいるんだから!」
「そ、それに…まだ終わってませんよ?」
励まされたユアは流れる涙を拭き取り、意を決したように表情を正した。自分の中の不安が取り去られ、いつも以上にやる気に満ちている。
「……そうだね。まだ終わってないもんね」
矢筒から矢を抜き取り、弓を引く。同時に鉤爪、大剣を構えたツバメとツバキ。それを目の当たりにしたシャーマックは、未だ不敵な笑みを浮かべている。
「ひひひのひー。雑魚が何体集まろうと、所詮僕のてきじゃあないんだぁよぉねぇwwwさてさてさてさて?今度はどんなおままごとがくるのかぁなぁねぇ?」
「…いくよ、ツバキ!」
「はいです!」
シャーマック目掛けて駆け抜ける2人。それを後方から支援するのは勿論ユアの役目だ。
「第一矢…放て!」
「無理無理無理無理!さっきも言ったけど君たちじゃ無理だっての!」
余裕満々のシャーマックがそう告げる。しかし、ツバキとツバメは進んだ。ユアの放った矢よりも……早く…駆け抜けていった。
「とおりゃあ!」
「えいっ!」
「んお!」
ツバメの鉤爪、ツバキの大剣がシャーマックの魔法陣と接触する。両サイドからの攻撃により、シャーマックは二つの魔法陣を展開させた……これだけでも二重詠唱である。
「ほらね?言ったでしょう!所詮君たちはーー」
胸に響く衝撃と鈍い音、その直前にこみ上げる血が混じった吐瀉物……。ユアの矢が、シャーマックの胸に突き刺さっていた。
「……これで終わり…。あなたの命もあとわずか…」
漆黒の髪を纏ったユアが、静かにそう告げた。




