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If.七種目の召喚者(イレギュラー)  作者: 石原レノ
全てが変わる日…変えようと誓った日
173/313

成長から

「よし…これなら」

「数日頑張った甲斐がありましたね。これなら大丈夫でしょう」

「まさか隊長があんなに勘が鋭いなんて…ちょっと感心したよ」

そんな些細ない話をするハクリ達は、お互いのやり場を終えた事を確認するために集合していた。そろそろイヨ達も戻って来る頃だろう。このままフィーレの待つ家で待っているのも吉だ。

「これでイヨも満喫しただろう…後はもう、神に頼ることしか出来ないが」

「きっと上手くいくよ。隊長頑張ってたもん」

「ユア……ありがとう」

「………」

「隊長ー!戻ったよー!」

「うぐっ!?」

突然腹部に走る鈍い痛み。抱きついてきたツバメの肩が、ハクリのボディ目掛けて突き当たる。ボディブローの痛みを初めて知った瞬間のように思えた。

「ツバメちゃん!隊長さんが痛そうです!」

後方からイヨとツバキが駆け寄ってくる。どうやら無事に帰ってきたようだ。

「それでは隊長。私達はこれでーー」

「あとは頑張ってね。隊長」

イヨに姿を見せまいと、ユアとアオイは早々に立ち去る。ここからは自分の仕事だ……。気を引き締めた。

「おかえり皆。今日は楽しめた?」

「うんっ!金平糖食べたよ!」

「そ、それから…い……いっぱい遊びました!」

ツバメとツバキがこの上ない満足感に浸った顔でそう伝えてくる。この様子だと、何も問題はなかったようだ。

「イヨも楽しかったですよ。久しぶりにこんなに遊びました」

「イヨちゃん凄いんだよ!気配だけで道案内できるし、人がいるところまで分かっちゃうんだからっ!」

そんなツバメの一言に、ハクリは思わず驚愕した。確かに前々からイヨの能力はすごいと感じていたが、まさかそこまでとは……

「そ、そうか…すごいなぁ」

「ふふっ……あまり褒めないでください。こうでも出来ないとまともに生活出来ませんから」

「今日は本当にありがとうイヨ。なにかお礼をしないとな」

「あ……ならーー」

ハクリの何気ない言葉に即座に反応したイヨは、何かあるのかすぐに声を出した。

「今日は一緒にいてくれませんか?二人きりで……」

「なっ……」

まさかそんな回答が来るとは思ってなかった。不覚にも自分の安易な考えを恨めしく思った……が、しかしーー

「良いんじゃない?ねぇツバキ」

「私もいいと思います。今日はイヨちゃんにお世話になりましたし」

「えっ!?ふたりとも!?」

「今日だけなんだから!ね?イヨちゃん」

「そ、そうなのです!今日だけ隊長さんはお貸ししますけど、明日からは皆平等です!」

「…………うん!」

少しの間呆気に取られていたイヨだったが、満面の笑みで回答すると、ハクリの手を握り、自宅へと駆け出す。

「……まぁ、いっか」

何故だかは分からないが、今日この日だけで、3人の成長が垣間見えた気がした。

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