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If.七種目の召喚者(イレギュラー)  作者: 石原レノ
全てが変わる日…変えようと誓った日
172/313

改心

時刻は夕刻を刻み、辺り一面が橙色の空に染まった頃、イヨはとある高場へとツバメとツバキを案内した。機密にハクリ達が動いているとも知らずに、イヨとツバメ、ツバキはこの一日を十二分に満喫した。

「綺麗です…」

「こんな景色が見れるなんてね……すごい」

「イヨのとっておきの場所です。何かあったらここに来るんですよ?」

街並、その先にある海の境界線。そこに沈む太陽がロマンチックな風景を極めつける。ふと各個人の頭を過ぎるのは、とある人物の顔だった。

「あ、あのーー」

思わず声をかけたのはツバキだった。めずらしく思い切った行動に出たツバキを前に、ツバメはその先の言葉を察した。

「イヨちゃんが隊長さんのお嫁さんって……本当なんですか?」

「……やっぱり皆さん同じ事を考えてましたか…」

クスッと笑みを零すイヨに、ツバキとツバメは恥ずかしそうに頬を染める。

「そうですね…私の中では、お兄さんはお婿さんですよ?」

「イヨちゃんの中で…ね」

「イヨちゃんの中で…ですか」

三人同時に吹き出し、無邪気な笑みを浮かべる。お互いの気持ちを分かり合い、尚且つ尊重し合う。これ程までの友情を、イヨは感じた事が無かった…そして今、結団が出た。

「ツバメちゃん、ツバキちゃん……」

今まで自分が欲しかったのはこんな感情だったのかもしれない。幼い頃から攻撃され、警戒心しか自分を信じる事しか出来ない人生の中で、自分は恵みと癒しが欲しかったのかもしれない。世界を嫌うことで自分の正しさを強調し、ろくに前も見ずに考えていたのかもしれない。でも、今は違う……

今こうして、見ず知らずだった自分と一緒に笑ってくれる【友達】がいる。フィーレだけではない。自分はこんなにも恵まれて、癒されているのだと、実感した。

これも全て…あの人の……

「私は変わりますよ」

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