とある計画
甘い甘い砂糖菓子は、口の中でその甘味を引き渡らせていく。その甘味に満足しながら、ツバメとツバキ、イヨは満足気に公園の風景を楽しむ。噴水が置かれた中央に腰掛け、風が細かな水しぶきを運ぶ。一言で言えば相当涼しい。それにより、さらに気分は上々していく。
「ふぅ…次はどこに行くの?」
「そうですね…色々ありすぎて迷いますね」
「な、ならイヨちゃんのオススメの場所に行きませんか?」
「……そうですね。ツバキちゃんとツバメちゃんを、このイヨがツアーガイドとしてお招きするのです!」
「……あいつはどうなっている」
「未だ行動中だ。見ない顔が二人いるが、どちらも同じ年くらいのガキだ。差し支えないだろう」
とある建物の上。複数の男達が、ある少女達の姿を監視している。どの顔にも憤怒以外の感情は存在せず、ただ表された怒りに翻弄されているようだった。物騒なものを越しに携え、手に持ち、背中に備えているその者達は、ただ黙々とタイミングを計っていた。全ては、あの日の鬱憤晴らしの為に……そんなしょうもない考えのために…。
「…とりあえず俺からやる。あの時のお返しだからな。一発やらないと気がすまねぇ」
「やるやらないは構わないが、あまりやりすぎるな…使い物にならなくなっては意味が無いからな」
不敵な笑みを浮かべながら、その時を待つ。自分の中に溜まりに溜まった欲を発散させるためにも、あの少女は大切な【道具】なのだ。
「……そろそろ俺達は配置場所に向かう。おまえ達も用心しておけよ」
二人の男が立ち上がり、その場所を後にする。答えは返さずとも、意思は通じる。了解の意を得た。
「……さて、俺達も向かいますかね」
後に続こうと、3人の男達が立ち上がった。
「いやいや。それは止めてくれないか?」
「っ!?」
明らかに聞き覚えのない声。一瞬にして警戒を最大限まで引き上げた男達は、その声の発生源であろう場所を凝視する…そこに立っていたのは……自分達が見覚えのある人物で…こいつのせいで計画が台無しになった、その張本人ーー
「そんな破廉恥極まりないこと…俺の隊員と友達にしないでくれるか?」
AIP情報班隊長…アマタハクリだった。




