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If.七種目の召喚者(イレギュラー)  作者: 石原レノ
全てが変わる日…変えようと誓った日
165/313

イヨ…その先へ

ハクリ達は戻った。連れ去られたイヨを抱えて……。血相かいて目尻に涙を浮かべたフィーレが出迎えて、事は無事に終えることが出来た。

実の話、ハクリ達にもそれとなく被害はあった。

それも襲われたとかそんなものではなく、主にアオイの本気によるもの。砲弾やら目で負えないスピードやらを勃発するおかげで、色んなものが落ちたり飛んできたりしてきた事は伏せておく。

夜風が心地よく肌を撫でる縁側。腰をかけ、夜空を眺めるハクリとイヨの2人は、それぞれ似たり寄ったりの事を考える。

「…イヨ」

「はい。何でしょうか?」

「その……ごめん。イヨを危ない目に合わせて」

俯くイヨを横目に、ハクリはそんな事を告げる。あんな事があった後だ。色々と思う事があるのは当たり前だろう。

「…私、目が見えないんです」

「……?」

そんなイヨが唐突にそんな言葉を放つ。思わず顔ごとイヨの方に向けてしまうほど、ハクリはその言葉の真相が気になった……いや、その先の言葉に期待してしまった。

「だから、お兄さんが私を助けてくれたってこと以外何にも分かりません。もちろん、この傷のことも……」

自らの首筋に手を当てる。そこには、ヴェルフの短剣によりついた切り傷の跡。それを(あらわ)にはしないが、何となくその時のイヨは、ハクリに気を使っているように見えた。

「イヨ……」

「少し考えを改めてみます」

「……でも、それはーー」

「私は元々この世界には希望なんて無いって思っていましたから……それに、今はお兄さんがいます。結果的に、お兄さんは私を助けるために、他の人まで連れてきてくれたんですから……」

「イヨ」

「あ……っ」

らしくもないと自分でもつくづく思う。自分の胸に抱き寄せたイヨが、一瞬驚いた様だったが、直ぐに落ち着きを取り戻し、身を委ねる。ハクリの背中にイヨの細く小さな…それでもとても暖かい腕が当たり、ハクリの心情は限界に達した……。

「イヨ……」

「はい。何でしょうか?」

「あともう少しだ。明日から、俺の友達を連れてくるよ」

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