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If.七種目の召喚者(イレギュラー)  作者: 石原レノ
全てが変わる日…変えようと誓った日
162/313

決着……

肉が引きちぎれ、ヴェイダーの体を貫いた砲弾は廃施設の天井に容赦なく穴を開けた。滴る血とともに地面に叩きつけられたヴェイダーは、ヨロヨロと失った腕があったであろう場所を抑える。

「まさか……そんな事が…」

「私を見くびったあなたの負け…ですね」

形状を大剣に戻し、赤い目を冷たく差し向けるアオイ。焦りを浮かべたヴェイダーだったが、自身の技術(スキル)により、その腕は修復されていく。

「トカゲかな?あの人」

「た、隊長…今そんなこと言う時じゃないでしょ」

「さて…このまま続けますか?それともまだやりますか?」

「……もちろん後者だ。俺は諦めない。お前をこの手で見下ろすまではな!」

「……そうですか」

アオイは大剣を足元の地面へ突き刺すと、掴み手を逆に持ち替えた。

「……いくらあなたでも、これを見れば諦めるでしょう」

柄だと言っていた大剣から、その中に存在する刃を抜き取るアオイ。その姿を現したのは、ひと振りの小太刀だった。

「でかい図体に守られている割には、中の本心は随分と小さいんだな」

「減らず口もそこまでです。ここから先、口を開いていると、舌を噛みますよ?」

「…………っ!」

ヴェイダーの視界から瞬時に姿を消したアオイ。背後に存在することに気がついたのは数秒後の事。しかし、気づいた時にはもう遅かった。

足を払い、ヴェイダーの体は背中から落ちていく。ヴェイダーの胸部を踏み台にし、跳躍。何が起こったか理解できないヴェイダーは、ただ差し迫ってくるアオイを眺めていた。そしてーー

「チェックメイトです……」

「…………」

仰向けで倒れたヴェイダーにまたがり、首に短剣の刃を当てるアオイ。流石のヴェイダーとヴェルフも、次の言葉が見当たらない。

「……さて、帰りましょう。問題は解決しましたから」

「……まじかよ」

唖然とした顔をするハクリ達一同は、余裕気味の顔をするアオイに驚きを隠せない。そんな中、アオイは短剣を大剣の柄に戻し、武装技術(ウェポンスキル)によって変化させたそれを元の短剣に戻す。

「これはお返しします」

「あ?え、はい……あざっす」

呆気に取られていたヴェルフである。そして、アオイはイヨを抱きかかえ、ハクリ達の元へ……

「お前は、何故戦うことを拒む」

ヴェイダーの質問に、アオイは足を止めた。振り返ることはせず、ただこう告げた。

「…争いは嫌いですから」

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