表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
If.七種目の召喚者(イレギュラー)  作者: 石原レノ
全てが変わる日…変えようと誓った日
156/313

If 〜もしもの話〜ヒノンとお勉強しましょう

「……」

「……あのー」

「…………」

「……おーい…」

「………………なに?」

「やっと返してくれた…」

学園内にある大図書館。その中で静かに本を読む、獣人族(ライガン)の少女ヒノン・ミルモント。それを横目に落ち着かない様子の間人族(ニュートル)のハクリ。さて、どうしてこうなったのか……それは約数時間前に遡る。


「……一緒に…図書館に来て欲しい」

「……はい?」

それは、いつもの学園での授業の合間時間。毎回この時間に何かが起きるのはもう知っての通りだ。

そして、今日もこの時…出来事は起きた。

珍しく自分から声をかけてきたヒノンに、言われた一言に、ハクリは一瞬何を言われたのか分からなかった。

相変わらずの無表情。メガネを指で押し上げ、無言のままハクリの反応を待つ。

「……だめ?」

「いや急だったから戸惑っただけで、日時がよければ大丈夫」

「そう……なら…今日の放課後に……お願い」

「放課後か…了解」

「そう……なら…よろしく……お願い」

同じような言葉を続けて放ち、ヒノンは自席へと戻っていく。終始何があったのか結局整理がつかないが、とりあえずハクリの放課後の予定は埋まった。


と、いうから来てみたものの、無言のままの時間はなんと数時間も続いた。隣でただ本を読み続けるだけのヒノンに、ハクリの戸惑いはピークに達する。

「…………」

「……あのーー」

「あった……」

そう言って、ヒノンは読んでいた本のあるページをハクリに提示する。

その内容は……

「魔法詠唱力のつけ方…?」

「あなたには…これ……大事……だと思ったから」

そこに記されていたのは、ある意味技術本…技術をつけるための参考書のようなものだった。教科書よりわかりやすく、かつ細かく記されており、ハクリでも理解できた。

「……これを、俺に?」

「……(コクコク)」

何故だろう……なんか嬉しい。自分のためになにかしてもらうって事は、少しこそばゆいが、どこか嬉しい。

「……ありがとう。俺、頑張ってみる」

そして、ハクリの勉強が始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ