発見
「…案外簡単に終わったな」
「あとは始末するだけか……情報班も役に立たないね。さっさと報告すればいいのにさ」
「まぁそこは何かあるんだろ。あいつら甘い考えしてたからな」
「そんな事は所詮まやかしだ。とっとと仕事終わらせて帰還しよう」
薄暗い廃施設の中で、二人の男が語り合う。拘束した少女を見下ろし、ニタニタと不敵な笑みを浮かべる小柄な方の男は、腰に携えていた短刀を引き抜く。
「さて…どこを刺したものかな……急所か?それとも苦しめるように血管をじわじわとーー」
「そんな事はどうでもいい。早く始末してしまえ」
「へーへー。相変わらずの強情っぷりで流石に同情しますよ…へへっ」
抜刀した刀身を少女の首元に押し当てる。一筋の血が流れ、いよいよ短剣を刺し込もうとしたその時だった……やはり、邪魔は入るものである。
「……とんだ面倒ごとに巻き込まれたと思ったら、よりにもよってあなた達でしたか」
「ふぅん。噂は本当だったんだ……」
「元特攻部隊幹部……アオイ」
「その名前はあまり好きではありません…今は情報班副隊長です……あなた達2人は…現特攻部隊、暴絶の双者…間違いありませんね?」
「ハズレ無し…流石だアオイ」
「まぁ顔も知られてるしな。知ってて当たり前だろ」
未だチャラけた態度をとる2人に、アオイは苛立ちを覚えた。




