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If.七種目の召喚者(イレギュラー)  作者: 石原レノ
全てが変わる日…変えようと誓った日
141/313

If ~もしもの話~シノアとハクリの薬物実験を経て

「はぁ~…私ったら本当にもう……」

「いつまで気にしてんだよ。あれは薬のせいなんだし、しょうがないじゃないか」

「そ、そんな事言っても私は気にするんです!それに私が作った薬なのに…………はぁ」

結果的に言うと、ハクリが飲んだ薬の作用は、シノアが作った薬により無くなった。周りにシノアしかいなかった事から二次災害もなく、多分平和的に事は終わりを迎えた。

しかし、シノアのショックが相当なもので、未だ立ち直っていないシノアはハクリの隣でうつ伏せている。

そんなに気にする事もないのに何故そこまで滅入るのか、ハクリには分からなかった。

「私もまだまだですね……うぅ」

「あのさシノア。そんなに思いつめても結果は変わらないぞ?やっちまったものはしょうがないさ……」

「慰めになってませんよ…あぁもう嫌だ……顔も見たくない」

「いや何でそこで俺が嫌われるわけ…」

茜色の光が差し込み、時刻が暮れ時だということを察する。そろそろ帰らないと……

「とりあえず今日は帰ろう。もう夜になるからさ」

「…………分かりました」

恥ずかしさ故に顔を赤く染めたシノアが帰り支度を始める。ハクリも自分の荷物をまとめ、シノアが出したビーカー等をかたし始めた。

「…ハクリ君」

「ん?どうかした?」

簡単な片付けが終盤に差し掛かり、不意にシノアから声がかかる。もじもじと指遊びをするシノア。勇気を出す程の言葉を言うのか、ハクリの緊張は自然と高まった。

「今日はその……ありがとうございました。ハクリ君のおかげで、色々と助かりました」

「あ、あぁ…そうか。それなら俺も付き合った甲斐があったかな……うん」

「そ、それでですね……その……もし良かったらなんですけど……」

「ん……ん。何でしょうか」

ハクリのこの緊張気味。やけに色っぽいシノアを見ていると、まだ薬の効果があるんじゃないかと不安になってきた。なんかその……女の子の顔をしている。

「こ、今度……お買い物とか……行きませんか?」

「お、お買い物……ですか」

「い、嫌ですか?」

「いやいや滅相もない!行かせてもらいます!」

「そ、そうですか……分かりました」

満面の笑みを浮かべるシノア。初めて自分が青春していると実感した瞬間だった。適当に帰り支度を済ませ、ひと足早くシノアが退出しようと扉に手をかける。

「……約束ですから!絶対ですよ?」

「う、うん……分かってる……」

「……では、私は帰りますね」

「お、おう」

シノアが大人の女性に見えたハクリだった。

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