If 〜もしもの話~シノアと薬物実験(仮)
「はぁ…一体いつまで続けるんだよ」
「仕方ないですよ。ハクリ君にはここで頑張ってもらわないと…私は助かってますよ?」
「いやいや…元々シノアが手伝ってって誘ったんじゃないか。まぁいいけどさ」
「出来ました!次はこれをお願いします!」
そう言ってシノアは、透明な容器に入った青色の液体を飲むように促す。もう見ただけで飲んだらやばいと察知できるその飲み物。ハクリは戸惑うのは当然である。
「一応聞くけど…これ何?」
「いやだなぁ……さっきから飲んでるじゃないですか。新薬ですよ」
「いやそうじゃなくて!どんな効果があるか聞いてんだよ!」
シノアの言う通り、ハクリは数十分前からシノアの作り出したポーション(名ばかりの毒々しい液体)を飲まされていた。その効果というのがいかに続く…。
・飲んだ者の体温上昇
・飲んだ者の呼吸器官の機能向上
・飲んだ者に暗視能力の付与
・飲んだ者に何らかのダメージを与える
・飲んだ者の好意対象を真逆にする
……お分りいただけただろうか。半分は何のためにあるかわからないようなものばかりなのである
ちなみにダメージは鞭で打たれるような痛みを持続的に、最後のやつなんかは今でも思い出したくないような事を考えていた
……ホモホモしいのはもう御免である。
「えっとですね……確かここら辺にーー」
もはや自分が何を作っているのかさえ頭に入っていないシノアは、辺りに散らばっている資料を漁り始める。メガネをかけていることにいつもと違う色気を感じる事はや数十分…次にどんな目にあうのか不安でしかなかった。
「あっ!ありました!」
そう言いながらシノアはとある資料を挙げる。びっしり文字が刻まれた資料の字体はシノアのものであり、彼女独自のものなのだと確信する。
いやな予感を覚えながらも、ハクリはシノアがこれから読み上げる資料の内容に耳を傾ける。
「今度は本当に大丈夫なんだよね?」
「はい!これは私独自のものの中で特に自信作ですから!期待しててください!」
この言葉を聞いたのはもう何度目だろうか…いやな予感が増して来た。何枚かに閉じられた資料をパラパラとめくり、目的のページを探し始めるシノア。ほんのすうびょうかんだったが、いやな汗が頬を伝う。
そして、ついにシノアが目的の文章を探し当てた…いや、見つけてしまった。
「このポーション(自的表現)の効果は……」
「ポーション(名ばかりの毒々しい液体)の効果は……」
「人がたかってくる効果があります!」




