ツバメとツバキの捜査
「んーなかなか見つかんないねぇ」
「全然情報集まりません…隊長さんに怒られちゃいます」
人通りのない路地裏。ツバメとツバキは上手くいかない情報収集に諦めかけていた。知人がいない知識が皆無に等しい街の中で、目的の情報を探す事は至難の技であると痛感する。上手いことこの街の文化的な衣装に変装したところまでは良かったのだが、難関はここからだった。
「話しかけられる人が少ないんじゃ情報収集なんて無理な話だよ~」
「うぅ…知らない人と話すのは緊張しますぅ…」
「っていうかこの服歩きにくいー!」
そう言いながらツバメは天に両手を伸ばし、空に向かって思い思いの言葉を口にする。華やかな色使いが施されたその『着物』は、ハクリがいた世界で行われた祭りの日などによく見られる着物そのものだった。
「この街の人たちはこんなもの着てよく普通に生活できるよね。なんか建物の作りも基地より全然違うし…もくぞうけんちく?って言うのかな?」
「文化の違いですね…私は好きです」
そう言いながらツバキは自分が身につけている着物を眺める。赤色の着物を身にまとったツバメと違い、ツバキが着ているのは青色の着物だ。2人とも目や髪の色とすごくマッチしているので、溶け込むどころか逆に目を引いている……いい意味で。
「ふぅん…ツバキはこんなのが良いんだ。私には分かんないなぁ」
「でもツバメちゃんすっごく似合ってます。その……可愛いですよ?」
「えへへ~ツバキこそ可愛いわよっ!」
自然と場が和み、二人のやる気も次第に回復していった。座っていた木箱から離れ、地に足をつけるツバメ。
「よしっ!まだまだ挫けてられないわ!再開するわよっ!」
「は、はいです!やります!」
そして二人の捜索は再開された。




