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If.七種目の召喚者(イレギュラー)  作者: 石原レノ
全てが変わる日…変えようと誓った日
102/313

機巧族という者達

「はぁ…はぁ……」

「今日はこのくらいにしておきましょう。あまり厳しすぎると、お身体に触ります」

「そうだな…恩に着る」

ひと汗かいたハクリは、シャワーを浴びるために浴場へと足を運ぶ。支給された隊長服を持ち、歩くのだが、これがまた変に遠い。

階段を降りて別棟へ……そしてまた階段を上がり3階へ向かう。

相変わらず機密施設とは思えないほど光は差し込んでいて、学園のように人が行き交う。

過激は組織の面影は、施設からは感じられなかった。

「……ふぅ」

湯船につかり、溜まった疲れを呼吸とともに吐き出す。

正直アオイの訓練はキツかった。身体能力向上を目的とした訓練だったため、十中八九無駄ではなかった。しかしキツすぎる。

「本当に強くなれるのかね…」

「大丈夫大丈夫。ハクリならすぐに強くなるよ」

「っ!?」

1人だと思っていた浴場には、どうやら別の人が居たようだ…。そして、ハクリはこの男を知っている。

「リラン…」

「温泉で癒しを求めることは構わないが、君も男だろう?そんなにここの女性陣は君の趣味に合わないかい?」

「……俺はそんな事をしている暇はないし、第一ここの人達は皆お前が作ったロボットだろう。欲なんて出ねぇよ」

「…確かに作ったのは僕だ。でも、彼らの体の8割は人間そのものだし、ちゃんと彼らも自分の意志や心を持っている…作ったと言っても、僕はただ失った所を補ったに過ぎない…。彼らは君と同じ、人間だよ」

「…そうか……悪かったよ」

ハクリの考えを否定され、彼らがどういうものなのかを明確に説明された。自分の浅知恵のせいで、酷く勘違いをしていたようだ。

以後、気をつけることにする…。

湯船から上がり、風呂から出用とするハクリに、リランが一言。

「彼らは自分の考えや心、感情を持っているからね。恋もするし子供だって授かる事が出来る…。存分に楽しむ手もあるよ」

「っ!?そ、そんな事いきなり言うんじゃない!」

バタンっと勢い良く閉められた扉。リランはニヤニヤしながら湯船から見える外の景色を眺める。

今のハクリは自分にあぁやって接してくれているが、もし本当の事を全て知ったらどう思うのだろう。弱みに付け込んで無理矢理ハクリに協力させている状況で、二つの秘密を打ち明けたとしても、ハクリはきっとここに残る。でも、自分に、ここにいる人達に向ける目は絶対に変わるだろう。

一つ目、ペイスの事。アレを自分が企てた事だと知ったら殴られるだろう。

二つ目…………。

「やっぱり甘くなったかな。そんな事を考えてたら、真の平和は訪れないというのに…」

AIPの総司令官は今日もお悩み中である。



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