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零の魔法  作者: 龍虎
プロローグ
6/18

新入生総代

 新入生がそんなことをしている間にも続々と集まってきている。そして一挙一投足に視線を集められている気がするぞ。正直、居心地が悪い。

 実は両親に苗字を変えて登校することを熱く勧められたのだが、騙すのは悪いといって断ったんだよな。自分でもコレはやらかしたと思う。


 騙すのが悪いとか言う次元ではない。有名人がマスクやサングラスをして街を歩くのも納得である。高校生活に支障が出る。

 小中ではこれほど視線を集めることも無かったので、ここまでとは想像がつかなかった・・・・・・俺は居心地の悪さをなんとかしようと、後ろの席に座った男子に話しかけた。


「俺は一 果因って言うんだけど、お前の名前は?」

「俺は火野 聡。それにしても流石一家、人気だね~」

「パンダの気持ちがわかった気がするよ」

「慣れているものだと思ったけど違うの?」

「はじめてだよこんなの。だから本名で来ちゃったんだし」

「悪いけどてっきりエリートだと威張り散らしたいのかと思ってた」

 

 あはは、という感じで火野くんに言われる。確かに、そう思われても仕方ないよね~実際、苗字そのままでこの学校に来るメリット0だし。トホホ。


「それにしてもじゃあ、なんで本名で来たの?」

俺は火野くんに家族とのいざこざを話した。

「なるほどね、それはわからなくもないかな」

「まあ、―「席に着きなさい」」

 俺たちの会話はその一言で遮られた。会話をしていたらいつの間にか時間が来ていたらしい。そういえば、火野家って聴いたことがあるような。

 そして、入学式が始まった。中学校と違い来賓は豪華という一言に尽きる。まあ、当然か。未来の防衛兵士たちであるし、二魔学とはいえ名家とよばれる出身の人もいるからな。


 ちなみに二魔学は生徒の数が多いので体育館ではなくキチっとした講堂でやっている。生徒全員が集まっているのは壮観としかいえない。

 講堂の構造や人数も相まって、待機しているオーケストラの指揮者のような気持ちを覚えていた。

 

 なぜ、あたかも舞台裏で待機しているような気持ちを覚えているかといえば、あたかもではなく実際に舞台裏で待機しているからだ。

 なぜ舞台裏で待機しているのか、それは簡単なことである。俺が新入生総代だからだ。俺には新入生代表挨拶の役目が待っている。


 「名前で贔屓してもらうのは嫌ですよ」と言ったのだが、俺が総成績―魔法実技も含めた成績。でTOPだったらしい。

 魔法実技は自信が無かったんだけどな。それを機に点数開示を求めたら二百点中百六十点だった。ニ魔学平均は約百点らしいので確かに座学と合わせればTOPにもいけそうだったので納得だ。


「次は新入生代表挨拶です」


そろそろ、出番らしい。今、不思議と緊張は感じていなかった。


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