校長
久しぶりです。こっちは意地でも一章書ききります!
「一くん、君は自分がしたことをわかっているのかい?」
若いサラリーマンに見える校長の相貌に鋭さが宿る。校長ではまず考えられないような年齢に見えるのが不気味さを際立たせている。尋常ではないプレッシャーだ。
「ええ、わかっていますよ。俺は覚悟を持って行いました」
「そうか」
校長はニヤりと笑みを浮かべて踵を返していった。いつの間にか冷や汗を掻いていたことに気づきハンカチで頬を拭く。
校長を始めてみたわけではないが、あそこまでプレッシャーを感じたのは初めてだ。なぜ、今まで校長の異常さに気づかなかったのかわからない。今考えれば異常に思うのは当たり前の話だ。校長になるにしては若すぎる。
そこまで考えて俺は気づいた。これだけ若い風貌をした校長になのになにも話題になっていないことに。皆が何の違和感を持たず校長のことを受け入れていたのである。
里見校長、彼は一体何者なんだ。
もちろん考えることによってわかるはずもない。こちらは里見校長の名前と校長をやっているということしか知らない。圧倒的情報不足である。
あのホームズかぶれの子ならわかるのかもしれないな。なにせ、頭脳強化魔法の使い手なのだし。