Scene.03
あの後私は彼女に連れられ隣の彼女の部屋にお邪魔した。部屋に入ると直ぐに彼女は、明るい声で「取り敢えずお風呂入るかな?先に入っちゃって」と風呂に入るように指示した。私は無言のまま頷き脱衣所へ向かった。というのもこのマンションは殆どの部屋の間取りが似ていて彼女の部屋は丁度私の部屋を反転させたような状態だった為場所はすぐに分かった。服を脱ごうとして身体のだるさを思いだす。それに泣き疲れていたためか力も入らない。ノロノロと服を脱ぐ。丁度パンツに手をかけた時、彼女が脱衣所に入ってきて「ここにタオル置いとくね?それと服なんだけど少し小さいかもしれないけど我慢してね。」と言ってタオル、Tシャツとズボンを置いて出て行った。その時の彼女はまるで私の裸を気に止める事も無く、最早母や姉に近い物を感じさえした。私はだるさに負けまた頷くだけだった。力なく横にドアを開けてイスに腰掛ける。前にある銀色の取っ手を奥に押し頭から水をかぶった。普段ならお湯になるまで待ってからかぶるだろうが今はそれも気にはならなかった。それから5分程だろうか、私は先程の彼女の表情を思い出しながら動かないでいた…