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わいの日常

第二話です。

「お土産買ってくるから、いい子ちゃんで待ってるんでしゅよー」


 ご主人はそう言って仕事へ出かけていきましたわ。


 何やろな、あの口調は。


 わいのこと、まだ乳離れ出来ん赤子と思ってるんやないけ。


 まあ嫌いではないからいいとするわ。



 ご主人が出かけた後は、部屋のチェックやで。


 パタパタと歩いてまわって、昨日までと違うてるとこないか、確認するんや。


 これも留守を預かるもんの最低限の役目やで。


 一通りチェックを終えたら、ちょい休憩や。


 水を飲み、トイレをすます。


 トイレはいつも綺麗に清潔に、や。


 砂をかけるのかて、ゆっくり静かにが大事やで。


 まわりに飛び散らかすなんてご法度や。


 ご主人に余計な手間かけさせたらあかん。


 それが、飼い猫としての最低限の礼儀やと思うわ。


 わいにマナーを語らせたらちょいとうるさいで~。



 それはそうと、朝の日課は終了や。


 この後どないしようかな。


 早々にまったりお昼寝タイムに突入するんも、近所の見回りに出かけんのも魅力的やけどな……。


 あ、ご主人出かけて鍵かかってる家からどないして出るんやて疑問は不問やで。


 ご主人がわいの為に取り付けてくれた猫用の出入口があるよって。


 だけど、まだお出かけの気分やあらへん。


 うん、ここはテレビ鑑賞と決め込もうやないか。


 わいはテレビの前のテーブルにスタッと飛び乗ると、リモコンの電源ボタンをぽちっとな。


 パッとテレビが賑やかな音声をはじき出す。


 おっ、ちょうどお目当ての人物が出てるやないけ。


 そこに出てるのは、よくご主人が「このおっさんお前にそっくりだな~」と言ってる芸能人だわ。


 そっくりと言われたからには参考にせなあかん。


 このおっさんの言動は大注目や。


 でもまあ、ご主人はいつもその後、「でもお前の方が何万倍も可愛らしいけどな~」と言ってデレデレするで、可愛らしさについては学ぶとこあらへんけどな。


 わいはよくテレビが見えるよう、テレビ前のソファにどっしりと腰をすえる。


 背もたれに背をあずけ、両足広げて座るとこれまた腰の収まりがいいんや。


 わいがこうやって座ると、ご主人じゃいつも「お前本当に人間みたいだなあ」と感心されはるけど、わいは間違いなく猫やで?


 ご主人の猫に間違いあらへん。


まったり続きます。

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