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狂気の医師

作者: さきら天悟

死者を蘇らせる研究をしている医師がいました。

死者からDNAを採取し、短期間でクローン人間を成長させ、

さらに凄いのは脳の記憶情報を移植し、人格をも復活させるというという研究でした。

彼は寝食を忘れ、研究に没頭しました。

幼い頃、医師の兄が、飲酒運転の車にひき逃げされ、殺されたことが動機のようです。


ついに動物実験が成功しました。

幹細胞の細胞分裂が始まってから、2週間で一歳のマウスと同等に成長しました。

彼は喜びの声を上げませんでした。

あたかも当然という態度も取らず、次に進みました。

次と言うと人体実験です。

しかし、彼に迷いはありませんでした。


実験は順調でした。

一つの細胞から一ヶ月で新生児が誕生しました。

もちろん兄の細胞です。

彼は小学生にも関わらず、兄の細胞を冷凍保存していたのです。

彼は力強く泣く赤ん坊を見て、硬く拳を作りました。

その拳は彼の固い決意を表しているようでした。


それから数日も経たないある日のことでした。

早朝、突然、訪問者がありました。

一人ではありません。4、5人の気配、いやもっと多くの人に研究所を囲まれました。

警察でした。そして逮捕されました。

研究が漏れたようです。


裁判が始まりました。

医師は全面的に人体実験の事実を認めました。

「・・・・。本件は死者を蘇られるという神を冒涜する行為で、狂気の沙汰である。有罪とする。」

裁判長は厳しい表情で判決を下しました。

「被告人、最後に言いたいことがありますか?」

医師は立ち上がりました。

「私の行為は本当に狂気ですか?」

医師は裁判官たちを見渡した。

「人殺しを育った環境が悪いなどと言って、減刑し、社会に甦らせるようにする、

これを凶器と言わず何ですか?」

医師を拳を作り、胸にあてた。

「人殺しには社会に復帰する権利があって、

殺された人間には社会に復帰する権利がないのですか?」

裁判長は目を見開いた。

「死者は本当にそんなことを望むと思いますか?」

医師は頷いた。同意するかのようだった。

「だから私は、その答えを本人から聞くため、この実験をしているのです。」

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― 新着の感想 ―
[良い点]  とつとつとした語りが一貫していて、話の内容とのギャップに不気味さがありました。 [一言]  最後まで読ませていただきました。 こういうテイストの話がとても好きです。素敵な時間をありがとう…
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