最高の武器
辺りは暗くなっていた。
今はとある住宅にいた。
「親戚の家が近くで助かったな・・・」
腕を休めるために寄ったのであった。
総一郎の親戚の家なので鍵が隠してある場所が分かったのである。
「私のお祖母さんも鍵を外に置いていたりしたな」
美月が言う。
「田舎の人は皆、こうなのかな?」
「さぁな?」
「この家は大丈夫なのか?」
「叔母さんは逃げたみたいだし使って良いだろう・・・たぶん」
この家には戻ってきていないようだ。
食料もそのままにしてあった。
その時、壁を叩く音がした。
「きゃっ」
葵が驚き声を上げた。
「意外だな、葵」
「・・・・うるさい」
ニヤニヤしながらいう横沢を軽く睨む。
美月が急に話し出した。
「私の親戚はさぁ~、猟銃を持ってるんだよね~」
「マジか!」
「それがあれば、いいのにね~」
横沢が興味を示した。その場の皆は美月の話を聞く。
「あああああああああああああ!!!!」
総一郎は思わず叫んだ。
「何だ?総一郎!?」
「思い出した!ここの叔父さんだ!」
「何?何?何が!?」
話していた美月は何を言ってるかわからないので問う。
「ああ、この家で銃を見たことがある!」
「えええ!?」
「少し、探してみる!」
「ああ、頼む!ラジオ、点けて調べとく」
「じゃあ、私は手伝うわ・・・」
葵が名乗り出た。
「ああ、頼む」
そして、二階に行ってみた。
すると寝室にて学校の部室にありそうなロッカーがあった。
『ガンロッカー・・・銃を自宅などで保管する際に必要な保管場所として、設置を義務点けられている・・・・最低1mm以上の鋼板製だから破壊は出来ないし・・・壊しても銃が手に入らないようになってるはずだけど・・・』
「詳しいなウィキペディアか?」
「嬉しい・・・鍵を探さないとね・・・その前に・・・ベットで眠る?」
「馬鹿か!?何を言ってるんだ!?」
といいつつ鼻血を出す総一郎。
「鍵だよ!鍵!!!」
「それならここに」
葵はポケットから鍵を取り出した。
「はぁ?えええ?どこで見つけたの!?」
「脇の机の上」
「ここにあったのか・・・」
机の上には本が何冊かあるのみだった。
ガンロッカーを開けると一丁のライフルのような銃があった。鎖で固定してあったのでそれを外して、手に取る。
「これは・・・猟銃かな?」
「総一郎は銃に詳しくないの?」
「いやいや、好きだけど・・・知識はオタク程じゃないし。ぶっちゃけ、知らないほうだからね~」
「ふーん、コレは空気銃みたいよ」
「ほー、空気銃ね…弾は?」
『銃の弾は装弾ロッカーというところに保管しないとならない・・・ちなみにここ』
葵はそう言って、机の下を覗き込む。
総一郎は同じように除くと金庫のようなものがあった。
葵はまたポケットから鍵を取り出すとロッカーを開けた。
「この中に弾が・・・?」
「うん」
葵は中にあった缶のようなものを開けた。
中には大量の弾が入っていた。
「これか・・・」
「そう・・・この銃はポンプ式みたい・・・」
「ポンプ式?空気を入れるのか?」
「うん、こうやって・・・」
葵は銃に取り付けてあるアンダーレバーを用いて、空気を入れていくが重くなってきて辛そうなので総一郎が手伝い、やっと空気を溜められた。
そして、弾を入れる。
葵が窓を開けベランダに出る、そして射撃の環境を整えるとゾンビの頭に狙いを定めた。
フゥーっと息を吐いた。そして、引き金に手を当て、引く。
すると思ったより大き目の音が出た後に弾が放射状に発射して、ゾンビの頭に当たった。
するとゾンビは倒れた。
「・・・・・・・上手いな」
「ありがとう」
葵は褒められて、嬉しそうであった。
ゾンビを本当に倒してしまったようだ。
「これってチート武器じゃね?」
「・・・・これでもう大丈夫」
「そうだな・・・犠牲はもう出ない!」
「うん」
「他のロッカーも開けてみよう!」
「任せて」
葵はあっという間に全てのロッカーを鍵で開き、中の銃を取り出した。
いずれも空気銃ではあるが種類が違うものであった。
コッキングをして、撃つ、反動の強い銃・・・スプリング式。
ガスによって発射するガス式の銃。
この二丁も手に入れた。
「よしよし、生存率が随分、上がったな!」
「うん・・・・よかった!」
二人で喜び合い、銃をよく見てみる。
「総一郎の叔父さんはすごいね」
「確かにこんなに銃を持ってるなんて」
「うん・・・日本は一銃一許可制だからね。凄い」
「え?銃、一丁ずつで許可が必要なの?」
「うん・・・」
総一郎は叔父さんを初めて凄いと思った。
ここまでするか!!!と・・・・
その後、一階のリビングに行き、報告をする。
「総一郎!ビックニュースだ!!!」
「なんだ?なんだ?どうした!?」
「まず、日本の総理が死んだらしい・・・・」
「!?・・・SPとかがついてるのではなかったのか?」
「よく分からないが死亡したことが公表された・・・もう一つ・・・」
「何だ?」
「世界中でバイオハザードが起きている様だ・・・」
「なるほど・・・世界的に起こっているのか・・・・」
「それでだな・・・・在日アメリカ軍が日本から引いていったようだ」
「そんなに酷いのか?ま、当然かもしれないが。アメリカなら楽に制圧できるんじゃないかな?アメリカには大量の特殊部隊や軍がいるじゃないか・・・・タスクフォース・・・Navy SEALs・・・グリーンベレー・・・」
「ゾンビの数が多いのか?他にも何かあるのか・・・ラジオだけでは分からない・・・放送局もどんどん、減っている・・・」
「そうか・・・」
この時から世界滅亡へと事態は進んでいた。
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