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復讐2  最後の犠牲

「こっちのほうから聞こえたな・・・・」

先ほどの謎の大きな音を確かめるために公園まで来ていた。この公園は緑が多く、遊具が少ない広い公園であった。

だから公園に入ってすぐに分かった。


巨人が車をひっくり返して中にいた人間を食っていた。

総一郎は滑り台の陰に隠れた。

「化けもんが・・・・まさか、走ってる車を倒したのか?」


100mは離れているがバリバリ骨を砕いて人を食う音がここまで聞こえてきそうだ。

血が辺りに飛び散っている。

戻しそうになるのを耐えながら様子を伺い、食事が終わるのを待つ。


その時、無線がなる。

その音で気がつかれないか気になったが気付いていないようなので通信を続ける。

<今、どこにいるのよ?>

「え・・・と、近くだな。公園だ。」


<今すぐ、戻ってきて!ゾンビの襲撃よ!>


「なんだと!?」

その時、巨人が此方を向いた。

「不味い、逃げろ!俺を置いてでもいい」

<は?そんなこと・・・>

無線を切った。



「わりぃな、コイツを生かしてはおけん。それに・・・・」

PP-2000を構える。


「また、車を破壊されたらたまらんだろ・・・」

巨人が目の前まで来て咆哮を上げる。


「ついて来い!地獄に導いてくれる!」


PP-2000を少しずつ、撃ちながら後退して、『罠』へと向う。


―― 一方 ――


薬局内に全員が集まっていた。


「総一郎!もう、切られたわ」

「・・・・・・」


美月が言った。葵は黙っていた。



「彼はどこに?」


幸田さんが冷静に聞く。

表にはゾンビが集まってきている。


「くそっ、どうしてバレたんだ!?」

横沢が入り口から戻ってくる。


「・・・・・きっと・・・」


葵が唐突に話し出す。

「きっと・・・・総一郎は・・・・巨人の足止め・・・に」

「ああ、きっと、そうだろう。彼は『罠』について話していた。」


「なら、援護に行きましょう!」

横沢が提案する。


「いや、彼の意思を無駄にはできない。」


「けど、それって、総一郎を見捨てるってこと?」


「いや、ただ、見捨てることなどはできん!」

幸田が怒鳴る。


「狩野、横沢君は俺と一緒に外のゾンビの殲滅だ!美月、葵は篠崎君を車に乗せて、道が開け次第、逃げろ!」

「でも!!!」


美月が反論をしようとするが幸田が制する。


「大丈夫さ、俺らは後で行くから北海道に先に行って。」

「美月、狩野さんの言うとおりだ。総一郎は俺がしっかり、連れ戻す!」


そう言うと三人は必需品を車に積み込んで葵と美月を車に乗せた。

横沢と狩野は鉄パイプでゾンビと戦っていた。


「よし、葵ちゃんは運転できるよね?俺らが全滅しても、行け!絶対に追いつく。」

幸田はそう言うとドアを閉めた。

葵は黙って、エンジンを点けた。


「うらぁぁぁ」

横沢が叫ぶ。

そこで葵は空気銃を窓から身を外に出し、撃ち始めた。

美月もそれに倣って、撃ち始める。


弱点の心臓の部分を狙うのは難しく、殺すことは出来なくとも頭を撃ち抜き、動けなくさせることは出来る。



総一郎は『罠』まで引きつける事が出来た。

『罠』の中に入る。そして、鍵を閉め、ガソリンを垂らしていく。

そのまま、裏口へと続けていく。火の行く先にはガソリンの海、ま、揮発してしまっているだろうがそれがあり、フラグも1個、置いてきた。

ポリタンクに入れたままのガソリンがある。



その時、ドアが突き破られたようだ。

総一郎は裏口から出るとマッチを点けて、ガソリンの上に落した。


そのまま、炎が広がっていく。

総一郎は急いで離れる。


すると大爆発が起こった。


「やったぜ!」

そのまま、総一郎は拠点であった薬局へと向う。




「何だ!?この爆発音!?」

「どこかで・・・爆発があったようだな」

横沢の疑問に狩野さんが答えた。


その時、狩野さんが横沢を抱え、葵が車のドアを開ける。

そのまま、横沢は車に放り込まれる。


「いまだぁぁぁ!」

幸田さんがゾンビを倒すと同時に叫んだ。

ゾンビの群れが崩れた。


車がエンジン全開で出て行く。横沢が窓に顔をくっ付けて、滑稽な顔になっているのが見えた。

「・・・・生き残れよ」

狩野がそれを見て呟いた。



「俺らも片付けて、追うぞ!」


「おおおおお!!!」




総一郎が薬局に辿り着くとゾンビの死体しかなかった。

他には幸田、狩野が倒れていた。


「幸田・・・さん?」


「ん?総一郎か?生きてる、生きてる。」

狩野さんが立ち上がる。

「疲労で倒れてただけだよ。」

「他のみんなは!?」


「大丈夫だ。無事に逃げたよ。」

「よかった。我々もすぐに行きましょう」


「行くとは言っても車両を手に入れないと。青函トンネルまですぐとはいってもトンネルを移動もしないとならないし。」

「大丈夫ですよ。」


総一郎がすぐ近くの駐車場に案内をした。

「俺が用意したので・・・」

「いつのまに・・・」

狩野が感激する。


コレが鍵です。

用意したのは黒の軽自動車。黒のバイク。

総一郎はバイクに跨る。




「まだ、そんなには離れていないはずだ!」

幸田が叫ぶ。

その時、狩野さんが言う。


「無線が繋がりました!」


「よくやった!場所は?」

「それが・・・襲撃に遭っているそうです!」


総一郎が叫ぶ。

「アレだ!」


向っている先から煙が上がっていた。

すると悲鳴も聞こえてきた。


「俺が先行します!」

総一郎はスピードを増し、進んだ。





横には海が見えていい景色だと思っていた。しかし、すぐ横は崖であるけれど。

車が何かに衝突したようだ。

「横沢!篠崎は無事!?」

横沢は篠崎を見る。調子は前と同じように悪そうだが悪化したわけではなさそうであった。


すると車のフロントガラスが割られた。

「まさか・・・巨人か?」

「総一郎は!?」


「・・・・・総一郎が死んだはずがない!」

葵もそういった。



しかし、巨人はここにいる。

総一郎が負けてしまったのかもしれない。あちこちに焼け跡があった。

そして、サイズも幾分か縮んでいた。


横沢が出て行く。そして、鉄パイプを振るう。

サイズが縮んだので効果があるかと考えたがそうでもないようだ。

巨人が腕を伸ばしてくる。


横沢は巨人に押された。巨人は押しただけだったかも知れないが横沢や人間にとっては大きな力で横沢は吹っ飛ばされた。

「あぐぁ!」

横沢は転がり、倒れた。


「横沢!」

美月も出て行き、VP70を撃つ。

巨人は一歩下がるが横沢の時と同じ攻撃で美月も飛ばされた。

葵が次に出て行く。美月の落としたVP70を拾い。撃つ。


そして、弾がなくなると包丁を抜く。

しかし、巨人の攻撃も激化する。

それらの攻撃を避け、包丁を巨人に突き刺した。そして、総一郎のようにその柄を蹴り上げた。


巨人が地面に手をついた。

葵は内心、やったと喜んだが巨人の手が葵の首を掴んで持ち上げて締め付けた。




「がっ!く・・・・」

足が地に着かない。サイズが小さくなっても身長は健在である。呼吸が出来ない。友人同士でふざけて首を絞めあうときとは違う。

その時、黒いバイクがやってきた。


それは総一郎であった。

総一郎はこっちを見ると包丁を抜いて、突進をしてきた。

巨人に包丁が突き刺さる。PP-2000を撃つと言う手もあるが誤射を恐れてやめた。



すると巨人の手が葵から離れた。

葵が落ちた。



総一郎はこの巨人が生きていると知って、この地形を見て思いついたことがある。

そして、今、包丁を突き刺して、気がついたこと。この二つを合わせた作戦である。


「葵、生き残れ。」


そう言って、包丁を突き刺したまま、巨人を押す。大して重くはない。

そのまま、崖に落そうと押していく。

巨人の足がずるずると砂埃を上げて後退していく。


「うらぁぁぁぁぁ!!!!」

そして、総一郎諸共、巨人は落ちていく。

落ちる直前にフラグのピンを抜いた。


包丁を抜き取る。

巨人は痛みに苦しんだのか大口を開ける。




「お前が食うのはこっちだ!」

フラグを巨人の口の中に入れる。


そして、そのまま、落下した。





爆裂音と共に

水面に太い水柱が上がった。


「そ、そういちろぉぉぉ!!!」

葵の悲鳴が上がった。

そこに狩野たちが到着した。


狩野は何故か海へ飛び込もうとしていた葵を押さえつける。

「一体、どうしたんだ!?」


「総一郎が!!!!」

「なんだと?」


幸田さんが崖の下を除くがいなかった。

ただ、巨人の頭が吹っ飛んでいる死体を見ることは出来た。


「無事か・・・?」

幸田が倒れている美月や横沢を助け起こす。狩野は壊れた車から篠崎を救い出した。生きているようだ。

するとゾンビが出てきたので全員を無理矢理、車に乗せて、北海道へと連れて行った。



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