クマ吉先生
「はぁはぁ、どうしよう・・・・」
化け物たちが蔓延することによってによって民家に立て篭もることを余儀なくされたが窓が突き破られて家の中に侵入された。
今は鍵がかけられる部屋で立てこもっている。
私たちは女子高の生徒だが化け物によって学校は襲撃を受けた。
その化け物は西洋の妖怪であるゾンビのようであった。担任の男性教師についてきてなんとか逃げてこれたがその教師はゾンビに食べられた。
これは当然の報いであった。
男性教師は最初こそ優しかったが状況が悪くなるのが分かっていくとその優しさはなくなっていった。
そして二日目の夜に襲い掛かってきたのだ。
襲われたのは私ではなく友達の吉田 加奈子一緒に逃げてきた友達を教師は手にかけようとした。
私たちは恐怖で動けなかった。加奈子ちゃんは必死に抵抗したら教師が逆上して暴れた。
男性教師は椅子を振り回し投げた。その椅子は窓に向って飛んで行き、窓が割れた。そして、ここぞとばかりにゾンビがなだれ込んできたのだ。真っ先に男性教師は襲われたが逃げようとした加奈子ちゃんも道連れにした。加奈子ちゃんはゾンビに食べられてしまった。
私たちは必死に逃げて、現在の部屋へと駆け込んだのであった。
「・・・・・・・」
ここに立て篭もって、既に12時間は経過している。
水も食べ物も口にしていないので辛い。空腹で腹が鳴り、喉はからからである。
「このまま、どうなるのかな?」
もう一人の生き残りの宮元 麻美が聞いてきた。
「分からないよ・・・・」
私こと篠崎 舞はそう答えた。
「助けはくるのかしら?自衛隊は?」
「ラジオも電池が切れて分からないよ」
「はぁ、ダメね」
自分に向けられた言葉かは分からないが軽く傷ついた。
きっと麻美もストレスが溜まってイライラしているのだろう。
ガタンとまた扉を叩く音が聞こえた。
化け物は扉を打ち破って入ってこようとしているのかずっと叩いていた。
その250mほど先の道路で横沢たちはいた。
「ここら辺だ・・・・ここらへん・・・」
先ほどから横沢はぶつぶつ何事か言っていた。それを尻目に総一郎は周りを見渡していた。
車が事故って住宅に突っ込み、運転席には死体があった。
後部座席には誰もいなかったがフロントガラスにはおびただしい量の血がべっとりついていた。
総一郎は中をよく覗いてみると熊のぬいぐるみが落ちていた。
それを見ていった。
「クマ吉先生!どうしたのですか!?」
声のトーンは響かないように小さく言った。
「誰それ?」
美月は冷ややかな視線をぶつけながら聞いてくる。
「知らないのか!?・・・いいだろう名言を聞かせてやろう」
「なんか偉そうわね」
「「僕は変態じゃないよ!変態だったとしても変態という名の紳士だよ!」」
横沢も一緒になって言う。
その名言を聞いて美月は顔に嫌悪感を顔に露骨に出す。
少しショックだがどうでもいい。紳士はそんな事を気にしちゃ、やっていけんわぁ!
二人の紳士はその熊のぬいぐるみに敬礼をして去った。
数分後・・・唐突に横沢が走り出す。
「こっちだ!!!近いぞ!」
「だから何でわかるんだよ!?」
総一郎は横沢に言ったが無視をして走っていきやがった。
とにかく、追うことに専念する。
横沢は向ってくるゾンビを一人で片付けていった。
動きが普段とはまったく違っていた。
人間の限界のリミッターを外してもこうなるか?と思うほどの動きであった。
総一郎の友人に県内に唯一だけある元女子高に行くために勉強して偏差値を30,40から60代まで変えた男がいたが人間の欲望とは凄いものだ。(リアルな話です。少し改変してるが)
「遅いぞ!」
そう言って、横沢は一軒家の前にいた。
「・・・・ここなの?」
ゾンビが少なげなので美月が疑うように聞く。
「間違えない!玄関には鍵が掛かって入れない・・・・」
横沢がそう言ったのでそうか?と思いながら窓から覗く。中にはゾンビが数体いた。
「手遅れだったようだな・・・・」
「いや、生きてる!俺の鼻がゾンビなんかに反応すると思うか?」
「知らんがな」
総一郎は引き返そうとするが横沢は叫ぶ。
<だれかいるかぁ!?>
大声で何度も叫んだ。
「バカ、無駄だって!早くしよう、ゾンビが集まってくるぞ!」
すると二階の窓が開いた。そして、女性が一人、顔を出した。
「誰?」
総一郎は驚いた。生存者がいた。生きていたのだ。
「助けに来た」
横沢はキメ顔で言った。明らかに女子高生と思しき彼女たちは警戒をしているが。
「時間がない。この家はもうだめなのだろう?早く出てくるんだ」
総一郎は彼女達に語りかけるように言った。
「けどここ・・・二階だし」
「これを・・・・」
葵はロープを投げた。
「よくやった!葵!急げ!奴らが来るぞ!」
横沢が言った。・・・何でテンションが高いんだ?
ロープを受け取ると彼女は部屋の中に入って行き、もう一人の女の子を連れてきて降りる作業に入った。落ちないように慎重に降りてきている。
その間にもゾンビたちは寄ってきていた。総一郎は木刀を手に取った。
「横沢!お前も闘え!葵!急がせろ!」
総一郎は叫び、目の前のゾンビに突きをして、仰け反らせてから頭部を打った。連日で木刀を振り回していて腕も痛くなってきている。
・・・何とか持って欲しいな。
ここで腕が使えなくなると言うのも死刑宣告に近いだろう。
遂に二人とも降りてきた。
「急げ!走れ!こっちだ!」
総一郎が叫び、先に下りてきた篠崎の手を掴んで起き上がらせ、全員は走り出した。
そして、二人は走りながら自己紹介をした。
「フーフー、はぁ・・・アタシは宮元 麻美。」「はぁはぁ、私、篠崎 舞です。」
「後だ。そういうのは急げ!」
息切れもしていて聞き取りずらかったが二人の自己紹介は済ませた。こっちは後からするけど・・・。
新たな仲間を含め、出発していった。
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