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第22話「致死性の毒ガスを防ぐ神の魔道具(ただのガスマスク)の特許で、一生遊んで暮らせる権利収入を得てしまった」

「……は? え? 幻覚……?」


迷宮都市の冒険者ギルド。

俺とクレアが、麻袋いっぱいに詰めた『冥府の睡蓮』をカウンターにどさりと置いた瞬間、エルフの薬剤師・エララは完全にフリーズした。

周囲にいた冒険者たちも、俺たちが幽霊でも見るかのように後ずさっている。


「ほら、依頼の品だ。これで特効薬とやらが作れるんだろ?」

「…………っ!!」


エララは弾かれたように麻袋に飛びつき、中身の睡蓮を確認した。


「ほ、本物……! しかも、この量……数十本はあるわよ!? Aランクパーティーが数人がかりで、死に物狂いで一本持ち帰れるかどうかの奇跡の花が、こんな雑に麻袋に……っ!」

「ピクニックのついでに摘んできたからな」

「ピクニックって何よ!? あそこは致死性の『猛毒の沼地』よ! 一口息を吸えば肺が溶ける地獄の――」


そこまで叫んで、エララの視線が、俺とクレアの手元にある『奇妙なお面』に釘付けになった。


「……レン君。あなたたち、もしかして『それ』をつけて50階層を歩き回ったの?」

「ああ、手作りのガスマスク(防毒面)だ。これのフィルターを通せば、毒ガスなんてただの綺麗な空気だからな」


俺が何気なく答えると、エララは震える手で俺のガスマスクを受け取り、まじまじと見つめた。

そして、フィルター部分に組み込まれた『無数の微細な孔を持つ黒い炭(活性炭)』に気づき、目を見開いた。


「こ、これは……炭素? でも、構造が異常よ! ナノレベルの微細な空間が規則正しく並んでいて、これが毒素の粒子だけを物理的に『吸着』しているというの……!? 魔法陣も、魔力付与も一切なしで!?」


さすがは優秀な薬剤師。俺の【土魔法】で作った活性炭の構造を、一目で理解したようだ。


「おおおおおおいっ!! それは本当かエララくん!!」


その時、ギルドの奥から地響きのような足音を立てて、筋骨隆々のドワーフの男が飛び出してきた。

胸には豪華なメダル。この迷宮都市のギルドマスターだ。


「ギ、ギルドマスター! 見てください、この圧倒的な防毒機構を! これがあれば、50階層の『猛毒の沼地』すら、新米冒険者でも安全に探索できるようになります!」

「なんたる奇跡じゃ……! これまで何百人もの優秀な冒険者が、あの毒に肺を焼かれて命を落としてきたというのに……!」


ギルドマスターは涙を流しながらガスマスクを拝み、そして猛然と俺に向き直った。


「レン殿!! この『神のお面』の製法、いや、特許を! 我がギルドに売ってはくれんか!?」

「えっ、別にいいけど。ただの炭をちょっと加工して、シリコンの枠にハメただけだし」


「ただの炭だと!? この精密なナノ構造を『ちょっと加工』で済ませるなど、神の御業じゃぞ! 頼む、この通りじゃ! 報酬ならいくらでも出す! 金貨一万枚……いや、ギルドの総収益の『1割』を、永続的に特許料として支払おう!!」


「「「総収益の1割ぃぃぃっ!?」」」

ギルド中の冒険者が盛大に吹き出した。

迷宮都市のギルドの収益の1割といえば、小さな国家の国家予算に匹敵する額だ。それが、毎月何もしなくても俺の懐に入ってくる計算になる。


「……まあ、それだけ出してくれるなら、製法(活性炭の作り方)くらい教えてもいいぞ」

「おおおっ!! 感謝する、レン殿!! これで迷宮都市の歴史が変わるぞ!!」


ギルドマスターとエララは狂喜乱舞し、即座に血判状のような厳重な契約書を持ってきた。

俺はそれにサラサラとサインをした。


「レン様……。また、お家が買えるどころか、国が買えるような大金を手に入れてしまいましたね……」

「そうだな。これで塩もスパイスも肉も、一生買い放題だ。……よしクレア、今日は特許収入の祝賀会だ。市場で一番高い食材を買い占めて、要塞でフルコースのディナーを作ろうぜ!」

「はいっ!! レン様の手料理、すっごく楽しみです!」


こうして俺は、ただの「活性炭」の知識一つで、迷宮都市全体から莫大な不労所得(特許料)を得ることに成功した。


一方その頃。

俺が作ったガスマスクが大量生産され、迷宮都市の冒険者たちが『猛毒の沼地』をピクニック感覚で踏破し始め、世界のダンジョン攻略の常識が完全に崩壊することになるのだが……。

天空の要塞で極上のステーキを焼いている俺には、まったく関係のない話だった。

お読みいただきありがとうございます!


「ただの炭」が、ファンタジー世界では「歴史を変える神の魔道具」に!

これでレンの資金源は完全に「無限大(不労所得)」となりました。

一生遊んで暮らせるスローライフの完成です。


【★読者の皆様へお願い★】

現在、本作は「ネトコン14」「春チャレンジ」に参加しております!

「特許チート最高!」「ギルドマスターの反応が面白い!」と少しでも楽しんでいただけましたら、


どうか、ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけないでしょうか!

(ブックマーク登録も大きな力になります!)


皆様のポチッという応援が、執筆の最大のエネルギーです。

引き続きよろしくお願いいたします!


▼次回予告

資金は無限、設備は完璧、最強の番犬(素材)もゲット。

最高の状態に仕上がったレンですが、ここでついに……

彼を追放した「元の王国」に、決定的な破滅の足音が忍び寄ります。

次回、お待ちかねの【王国ざまぁ】再開です!

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