未知(父)との遭遇
幼稚園と家を往復する日々。この前、連絡帳を見て笑った。
「お友だちと遊んでいないようです。」
だって友達じゃないし。単なるクラスメイトだし……。
ドラえもん(今が全盛期!)とかならさ、他にも見てる子はいるけどさ、みんな所詮三歳児。内容を理解してる子はいない。こんな中でどうやって友人作れと?私はインドア派なんだよ。友人はまぁ、中学校上がってからで良くない?他の子だってさ、いっつも部屋の隅っこで本読んでる子となんて遊びたくないでしょ。なんかちょっと変、て思われてるし実際言われた。
やってらんないよ。
六時。もうすぐ兄の翼が公園から帰って来る時間だ。ため息をついて、テレビをつけたけど、興味がある番組をやってなかった。それにしても画質が悪い。時代的にしょうが無いけどさ。仕方ないので『The Soul of a New Machine』を読むことにする。もうすぐ読み終わる。
最近、成長してきたからこそ分かったこと。女の子はみんなスカート。幼稚園の先生はたいてい女性。アニメだって物語だって、男の子向けと女の子向けがある。
この前ガンダムみてたら、女の子なんだから男の子のアニメをみちゃいけませんって母に言われた。でもこの時間は他のやってないし、で押し通したけど。兄の少年マンガ(北斗の拳とか)読んでると、ちょっと眉をひそめられる。
ううん、もやっとする。良いじゃん別に。そう思うのは、今の時代、私が異端なんだろうけども。
がちゃっ、と鍵の開く音がした。
「おかえりおにー……パパ!?」
おっと!?父の徹が帰ってきた。普段全然家に帰ってこないのに。いや、帰ってきてるかもしれないけど、少なくとも私が起きてる時間にはいない。
パパはなんのおしごとしてるのって聞いたら、大学でロケット作ってるんですよって言われた。作ってるというか、多分研究じゃないかな?ちなみに、『The Soul of a New Machine』は、父の本棚から持ってったものだ。
「ただいま、栞。……?その本を読んでいるのか?」
『The Soul of a New Machine』を指さして、父は言った。やべぇ、最先端技術の本(英語版)読む幼児とか気味悪いな!
「うん!いっぱいほんよんで、あたまよくなるの!」
「そうか。コンピューターはこれから発達するだろう。良いことだ。」
反応が、思ってたんと違う。
もっと、「そっかーえらいねー(温かい目)」みたいなのを想像してたのに。私が理解してるとか思ってないよね?父?もしかして子供にあんまり興味ない?
うぅん。父と話したことなさ過ぎて、ちょっとよく分かんない。
「お帰りなさい。……良いことだ、じゃありませんよ、お父さん。」
母は、ため息をつきながら父の上着を受け取った。
「そんなことに興味を持つなんて……。女の子はあんまり勉強ばかりするもんではありませんよ。将来お嫁に行けなくなったらどうするんです?」
………………うわ。昭和か?今昭和だったわ。
「馬鹿よりマシだ。」
そう、ね。同意する。というか私は結婚する気無いです。ごめんね。
てか、もしかして父と母、仲悪い?なんか雰囲気悪そう?
……しらね。幼児に出来ることなんて無いや。