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ラプラスの堕天使  作者: momimaru
古典力学編
24/29

23 等速直線運動(Uniform linear motion)

ある晴れた日の午後、俺たちはフューチャーテック・チャレンジコンテストの準備をしていた。俺たちはコンテストのために行動を共にすることが増えていた。講義が終わると、いつものように実験室に向かっていたが、今日はヒデが少し考え込んでいる様子だった。


「ヒカル、今日は家で作業しないか?」


ヒデが突然提案してきた。


「家で?なんで?」


俺は少し驚きつつ尋ねた。


「実は、俺たちがいつも使ってる実験室がメンテナンス中なんだ。それに、たまには家のほうが新鮮だし、集中できるんじゃないかと思ってさ。」


ヒデがそう言うと、須黒も口を開いた。


「私も行くわよ。」


須黒の言葉には揺るぎない決意が感じられた。


「いや、でも……」


俺は言い訳を探そうとしたが、ヒデが口を開いた。


「なんでダメなんだ?俺は前にお前の家に行ったことがあるけど、何も問題なかったじゃないか。」


ヒデの言葉に俺は黙り込んだ。確かに、ヒデは何度も俺の家に来ていたが、須黒が来ると困ることがあった……。


「ヒデと須黒じゃ違うんだよ。」


俺は小さな声で呟いたが、須黒はそれを聞き逃さなかった。


「何が違うの?私が行ってはいけない理由なんてあるの?」


須黒の瞳は氷のように冷ややかだった。彼女の存在感は常に圧倒的で、どんな言い訳も通じないことを感じた。


「いや、その……」


俺は何とか言い訳を考えようとしたが、何も思いつかなかった。


「結局、私の存在が邪魔だってこと?」


その言葉に俺は反論する余地もなく、ヒデが再び口を開いた。


「そうじゃないだろう、ヒカル。俺たちはチームなんだから、一緒にやるべきだ。真理も一緒に来てもらえばいいじゃないか。」


ヒデの言葉に俺は再び黙り込んだ。たしかに今回に関しては、こいつのロジックは否定できないほど完璧に正しいが……。


「わかったよ……。じゃあ、俺の家で作業しよう。」


俺は諦めたように言った。


「決まりだな!じゃあ、早速行こうか。」


俺たちはキャンパスを出て、俺の家に向かった。最初、須黒は黙々と歩き続け、ヒデは俺にいろいろと話しかけてきた。3人がエアカーに乗り込むと須黒が口を開いた。


「幕内くんの家って、どんな感じなの?」

「普通の家だよ。特に何もない。」


俺はあまり気乗りしない様子で答えた。


「つまらない答え……。」

「真理、お前は家ではどんな風に過ごしてるんだ?」


ヒデが須黒に話を振った。ナイスプレーだ。


「基本的には研究に没頭してるわ。でも、たまには息抜きに料理をすることもあるの。」


須黒の言葉には一抹の温もりが感じられた。その言葉にヒデは少し驚いた様子だった。


「料理するんだ?意外だな。どんな料理が得意なんだ?」


ヒデが興味津々に尋ねると、須黒は少し笑って答えた。


「得意ってほどじゃないけど、パスタとか簡単な料理が多いわね。でも、作るより食べるほうが好きかも。」

「須黒、お前が料理するのか?なんか信じられねえな。悪いがキッチンに立つお前の姿が全く想像できない。」

「へー、そんなこと言うんだ?じゃあ今度、私の手料理を試してみる?」


須黒の微笑みには冷ややかさが滲んでいた。


「いや、結構だ。俺の胃袋はそんな冒険を望んでないからな。」


俺は肩をすくめた。


「まあ、確かにお前が料理してる姿なんて想像できねえもんな。でも、ちょっと見てみたい気もする。」


ヒデが笑いながら言った。


「ヒカルはどうなんだ?料理とかするのか?」


ヒデが俺に尋ねた。


「たまにな。でも、基本的には外食が多いかな。自炊する時間がなかなか取れないし。」


俺は適当に当たり障りのない嘘をついた。


須黒とヒデとの会話は続き、俺も少しずつリラックスしてきた。

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