第一話 証の切符①
あれからどのくらい経ったのだろう?
まだ意識がある。死んだんじゃないのか?
力が入らない不思議な感覚だ
ふと瞼が開く。
“まだ生きてるのか”
そう思った。
明るい光が目に入ってくる。
電気の光とは違う温かい光だ。
明るい光?
どうゆうことだろう?太陽?
太陽なんてもう数ヶ月も見ていない。
明るい光で目が眩しい、視界が白くぼやける。慣れるまでに数秒かかる。
ゆっくりと視界が開け始める。
その目に飛び込んできたのは、木で作られた窓から差し込む温かく明るい光だった。
こんな光景、漫画やアニメでしか見たことがない。
それにどこか懐かしく感じるそう思った。
それよりも窓から光が差し込んでいる。太陽だ。ここはどこだろうか?
僕はベットで横たわっている。
助かったのだろうか?
でも太陽の光が差し込んでいるのは、おかしい地球で太陽の光が差し込む場所なんてもうないはずだ。
ふと天井を見た。この天井も木で作られている。木製?
この時代に珍しいな
“木製なんてすぐ燃えてしまうだろうのに”不思議に思った。
怪我の具合はどうだろうか?
自分の体を見る。
驚愕した。
右手があるのだ。
それもそうなのだが、、、
本当に驚いたのはそこではなかった。
“体が小さい”
必死に状況を飲み込もうとする。
転生?生まれ変わりだろうか?
そんな漫画みたいなことがありえるのか?
いやまず落ち着け、
周りを見る。
僕は柵のついた小さなベットにいた。
これは、ゆりかご?
民家だろうか?昔の家みたいだ。
広さはそこそこあるように見える。
自然のいい匂いが漂っている。
今西暦何年だろう?
そもそも地球だろうか?
自分の体を見た感じ人間の赤子とそう変わりないように思う。
手足は自由に動く。
しかしまだ首が座っていないからなのかうまく起き上がることができない。
“ここはどこなのだろう?”
見たところひと昔もふた昔も前のような家だ。
タイムリープでもして昔の時代にでも来たのだろうか?
いやまさかそんなことできるわけ、、、
しかし日本の家ではなさそうだ。
“これじゃあ日本語は通じないかなぁ”
なんて思っていると、視界がなんか白く曇っていることに気づいた。
目が覚めてから視界が白く曇って見える。
なんなんだろう?病気なのかな?
あれ?でも目の力を抜くとはっきり見えるようになる。
不思議だ。
すると誰かが歩いてくる足音がした。
“誰か、来る”
思わず身構える。
部屋に入ってきたのは女の人だった。
きっと母親なのだろう。子供の感というのだろうか?直感的にそう思った。
母親も見た目は、僕の知る人間とそう変わりなかった。とても綺麗な人だった。
そして、危惧していた通り、僕の知らない言語で話しかけてくる。
奥から父親らしき人も部屋に入ってくる。
まぁまだ赤子なのだから言語などはこれから覚えればどうにでもなりそうだ。
それから数日、僕はずっとゆりかごに横たわっていた。暇なように思うかもしれないが、疲れが溜まっていた僕にとっては、とても安らぐ最高のひと時だった。
そして数日後、首がやっと座ってきたのだろうか、ゆりかごの中だけではあるがだいぶ動けるようになってきた。
そしてさらに数日、ずっと外の様子が気になっていた僕は、両親が寝静まったタイミングを見計らい、夜、ゆりかごの淵を使って立ち上がり窓の外を覗いてみようと思った。
少し苦戦しながらも窓の外を見た時、その景色を見て、「あぁここは、地球などではないな」と思った。窓の外に広がっていた光景は、夜の静けさの中に、爽やかな風が吹いている草原、その上に浮かぶ満点の星空そして、
僕を明るく照らす六つの大きな月だった。




