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ラブコメをもう一度  作者: タカヤマ・ユーミン
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学生時代をもう一度

【始まりは駅のホーム】


ボーッとデカイ家電量販店の看板を背景に、いつものように端っこの電車のホームで待っていた。


吐き気がするような日差しに、私は後悔していた。


『日傘を持ってくればよかったな』


今どき日傘男子なんて当たり前だけど『慣れない』


私は何かを始めても長続きしない体質で日傘も5日でやめてしまった。


スマホを取り出してトイッターのトレンドを眺め始めた。


だけど 体がうまく動けない。


『いつも以上に、気分が悪い』


私は、そう言うと 突然体が傾き、何かしらの圧力により体が押され次の瞬間、線路内に私は飛び込んでいた。


そういきなり話は急展開。


さっきまでの日常とはおさらば。


これが、自分の 最期である。


自分の 残量が溜め込めなくなり、気づいたらそこにいた。どうすることもできない。


そう、これが解放である。何もない。空白。


轢かれる瞬間…… 轢かれる前の瞬間。


時間が止まったかのような感覚があった。


私は死ぬ。と思ったが。違った。


時間が止まって空白が乱れた次の瞬間。


私は、真っ青な空の下にいたんだ。


全身麻酔をしたみたいにスッと瞬間移動したみたいに線路からバス停のベンチに移動していたんだ。


そう、高校の頃の自分に戻ってたんだ。


田舎の景色にタイムスリップしていたんだ、映画みたいに。



【青空の下】


私は、暑い炎天下の中、古いバス停のベンチに座りチョーペットを片手にボケーっと座っていた。


『暑っ!?』


そして隣には懐かしい顔が座っていた


『どうした?リン寝不足か?』


「リョウか?リョウなのか?」


こいつは高校の同級生リョウ。親友だ。


高校卒業して会えないまま6年経つと友は大人びていることが多いが、今はシチュエーションが違っていた。


「変わってないな!久しぶり!!」


『なんだよ昨日あったばかりだろ?』

 

「え?あっ、この制服なつかしぃ……」


『なんか今日変だなお前』


「今から学校か?」


『は?そらそうだろう』


この学生時代にはなかったこの胸の高鳴り…。


胸の鼓動……若さ………。


「はっ!?」


私は、おもむろに自分のベルトを外し自分の分身を確認した。


『何やってんだお前…………?』


「若い!!!」


『なにが!?』


「綺麗……………」


『なにが!!?』


炎天下のあまりの暑さに私のIQが3に下がっていた。


暑さも、懐かしさも、こんな夢始めてだ。


いや、夢ではないと信じたい。


「やっぱり田舎の空気はおいしいなぁ……」


「あっ!学校!!学校行こう」


『前から変だとは思っていたが……やっぱり変だ』


これほどの幸せはいつぶりだろうか。


さっきまで絶望していた自分が、何だか遠い記憶に感じる。

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