1-2.転生そして出会い
目の前にはおでこを抑えて、少し涙目で、座り込んでいる、オレンジ色の髪とオレンジの瞳をした女性がいた。
「あの〜だ、大丈夫ですか?」
俺は優しく接したが、彼女はこちらを睨みつけてくる。
「本当ごめんなさ〜い」
俺は謝りながらも冷や汗が止まらなかった。
彼女は「はぁ〜」と言うため息をついた。
「まぁ...そんなに謝らなくても大丈夫よ」
多分だがこれは許してもらえたの...かな。
そんな状況に躊躇う自分がいた。
「そんな事より何でこんな所で寝ていたの?」
...言えない、死んで転生したなど、誰にも言えるはずがない。
「あー、えーと、近くの街に住んでいるのですが、途中で迷ってしまって...」
少し棒読みになったが、我ながら良い演技だったと思っている。
俺は心の中で自信満々になっている中、彼女はまた、質問してくる。
「貴方、護身用の武器を持って無いようだけど...」
なんだよ、護身用の武器って、みんな持ってる物なの?
この世界の情報が無さすぎる。
彼女は返事を待っている。
変に長引かせても怪しまれるだけだし、どうすれば...
俺は頭を抱えてたいぐらい、戸惑っていた。
〔武器を失くした、そう伝えなさい〕
突然、脳裏に声が響いた。
辺りを見渡した。
「どうしたの?」
彼女はそう言ってくる中、俺は脳裏の声を信じるしかなかった。
「あ、大丈夫です、それより武器を失くしちゃって...」
「そうなの、モンスターに襲われなかったの、特にファングーとか?」
ファングー...また知らないが増えたが、この場を乗り切る事が出来た。
「はい、大丈夫でしたよ。」
俺は元気良く言った。
彼女も笑顔で「そう」と返してくれた。
それにしても、あの脳裏の声は一体誰だったんだろう?
声の高い的に、女性だと思うだけど...
「そうえば、自己紹介がまだだね、私はアリエマ、アリエマ・ア・スイークホープ、君は?」
出てきた名前がまさかの、外国人みたいな名前に俺の名前を言うのを躊躇っている。
どう言う名前でいこうか、普通は苗字と下の名前を逆にするのだと思う。
だけど、変な名前になってしまう...!
俺の下の名前だけで良いのでは。
俺は笑顔になり、その場から立ち上がった。
「俺の名前はカイトウ、苗字は教えない。」