1-1.転生そして出会い
冷たい感触がした、目を開けると太陽の光が入ってきた。
その状態に気付くのに数十秒掛かった。
気付いた時には遅く、俺はそのまま意識を手放した...
次に目を覚ましたのは、見知らぬ草原だった。
俺はその場に立ち、周りを見渡した。
そこは、木が所々に生えていて、建物が一つも無く、山も綺麗に見える様な場所だった。
生まれも育ちも東京だった俺は、その景色を見て、「綺麗」と呟いた。
数秒間その景色に見惚れてたが、ある事が頭をよぎった、それは俺が死んで転生したかの話しだ。
落ち着いて、転生?の前を思い出そう、確か...
俺の名前は 泉 海灯、今は...いや前は、動画クリエイターとして面白い動画を沢山作ってきた。
休暇を取って二泊三日の海外旅行に行ってたが、あまりの疲れと睡魔に耐え切れず、運転中に寝てしまった。
しかも不運な事に、海沿いの道路を走っていたから、多分だが、車ごと海に落ちたんだろう。
自分が死んで転生した...こんな状況は漫画やアニメなどでしか見た事がないけど、実際に起きる条件が揃っている今の状況は、多分だが文句を言ってもしょうがない様な気がする。
俺は少し肩の力を抜いて、その場に寝転んだ。暖かく気持ちいい風が吹いてきた。
太陽の光が眩しかったが、手で隠した。
「太陽の位置的にお昼くらいか?」
そんな事を呟きながら、そのまま眠りについた。
「起...て」
声が聞こえたが、今は起きる気はない。
もうちょっと寝かせてくれよ。
「起き...て」
「起きて‼︎」
勢いよく起きると、目の前に居た人とおでこがぶつかった。
「痛っ」
あまりの痛みにおでこを抑えていた。
しばらくしてぶつかった人の方を見る。
「すいません、大丈夫でしたか?起こしてもらってたのに本当すいま...せ...!」
目の前にはおでこを抑えて、少し涙目で、座り込んでいる、オレンジ色の髪とオレンジの瞳をした女性がいた。