表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私のクリスマス  作者: エフェ
1/4

序章1


私は、今日の仕事を終えたあと、なんとなく忙しかった1日ををぼんやりと感じていた。



そして、これから加嶋と約束しているミーチャというカフェへ向かう途中である。



私と同じように仕事を終えたばかりの人達が、それぞれの帰途につくため急ぎ足で歩いている。



私の職場は町の中心地に位置していて、平日の朝夕は、大勢の人で通りが埋まってしまう。



カップルらしい2人が、前方を寄り添うように歩いていたが、横にある路地に入って行くのが見えた。



その突き当たりには、居酒屋らしい看板に照明が灯っていた。



カップルが居酒屋の戸を開けた際に、何か話し声が聞こえたけれど、直ぐに入り口の戸が閉まる。



見かけないと思ったらが、路地裏に居酒屋があったことを知らないままに過ごしていただけだろう。



昨日まで雨が降り続き、今日は湿った空気が、町の匂いに混ざって漂っているようだった。



私は、雨の日は嫌いではない。

ひと月前になるけど、女友達の佐山弥生と隣りの町にあるカフェで話をしていた。



その途中で、ふと気付いたのだがいつの間にか雨が降っていたのを記憶している。



私は弥生と、窓際の席に座って話をしていた。その日は日曜日で、自室で好きな曲を聴きながらネットで調べ物をしていたときに、弥生から電話がかかってきたのである。



「近くまでお買い物に来て、それで居るかなって思ったの。」



弥生はそのように懐かし気に、親しみを込めて私に伝えた。



私は、改めて弥生を眺めた。

弥生は、結婚した後でも、高校生の頃と見た目がほとんど変わらないように見える。



「こうして会って話をするのは、久しぶりじゃない?」



弥生は懐かしそうに、私に伝える。

そう言われてみれば、確かにしばらく弥生とは会っていなかった。



弥生が結婚するまでは、よく一緒に遊んでいたが、結婚してからは次第に疎遠になり、それが当たり前だと思うようになっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ