異世界とのつながり
<夜の夢の中>
「やっぱり思った通りだったね。ユキノさんは異世界に飛ばされた時に遺物の近くに居たんだ」
「でも、違う国を通ったって言ってましたよ?そんなに離れていても影響あるんですか?」
「飛行機の飛行ルートについては僕も詳細な位置は把握していないけど、全然検討違いと言い切れる程の距離は離れていないよ。それよりも僕が気になったのはエディが取り出そうと思った時の遺物の反応だよ」
「そうなんですよ。前回取り出した時は何の反応もなかったのですが、今回はちょっと焦ってしまいました。持つ手が振動で震えてましたから」
「それは共振していたってことなんだろうね。考えられることとしては遺物を全て発見したということが影響しているんじゃないかな?」
「4つの遺物が揃うと何らかしらの力を発揮するということですか?」
「推測だけどね。ひょっとしたら、この遺物はユキノさんを転送させる前までは軌道していたんじゃないかな?だから離れた位置にいても反応したとも考えられる」
「あ、そういえば遺物の残りも僕の空間収納にコピーしたものを持ってますから・・・」
「コピーでその反応ということは本物だと想像以上の力を発揮してもおかしくないね」
「もう一つ判ったことがあります。遺物に魔力を流さないと動かないということです。今回の遺物は以前に魔力を通して試していたので起動状態にあったんではないでしょうか」
「起動には魔力が必要か・・・こっちの世界では動くはずがないのにユキノさんには反応した・・・謎が深まるねえ」
「こういう考えはどうですか?こちらから其方の世界に転移した人は帰るための分の魔力を予めセットした状態で其方に転移した。ですが、不慮の事故で帰れなくなって遺物は魔力が込められたまま長年海の底に眠り続けていたと」
「遠からずかも知れないよ。僕のサルベージした船は昔の探査船だったみたいなんだ。大航海時代と呼ばれていてヨーロッパの先進国は植民地を求めて世界の海へ航海をしていた時代でね、その先導役かなにかに抜擢させれたんじゃないかな?転移してきた人が」
「高度な文明を持つ人が現れたらその国に案内して欲しいってなりますよね。想像とはいえ壮大な話ですね」
「もうしばらくここで遺物については研究をしていこう。ひょっとしたら一気に解決するかも知れないし」
「はい、魔法の影響という部分ではだいぶ判ってきましたから。僕の方は古代の魔法文について詳しく調べてみます。魔術刻印が現在使われているものと異なるのでそれが判れば進展も望めるかと思います」
「うんうん、朗報を期待してるよ。あ、そうそう、それからユキノさんの実家なんだけど、来週に行く都合が付いたから」
「え?ユキノさんの住んでいる場所が判ったのですか?」
「判ったも何も住所をユキノさんが教えてくれたでしょ?パソコンで検索したら確かに存在する町名と番地だったから。電話番号を聞いておけば電話も出来たんだけど、いきなり電話で話すると悪戯電話と間違えられてすぐに切られてしまう恐れがあるからね。直接会って話をしてみるよ」
「ありがとうございます。で、ユキノさんの住む所ってミノル君のところから遠いのですか?」
「うーん、遠いの基準が難しいけど、そっちの基準でいけば歩いていける距離ではないね。とは言っても電車で2時間程度かな?」
「二時間で行ける距離なのですね。意外と近いですね」
「あはは、こっちの距離は時間とはあまり比例しないんだよ。飛行機なら二時間もあれば海の向こうの他の国へ行けちゃうからね」
「そうなのですか!?こっちだと何週間も何か月もかかりますよ?」
「そういう文明なんだよ。信じられないかも知れないけど、夜空に輝く星があるでしょ?近い星には飛んで行けるくらいの技術があるからね」
「本当ですか!?全く想像がつきません・・・こっちの世界があと何年すればその様な文明にまで発達するのでしょう?」
「このなる世界だから同じ進化をするとは限らないからね。でも僕に言わせれば魔法で転移できて、増してや異性に転移するという技術の方が余程凄い技術だけどね」
「そういえば魔法のない世界でしたよね?想像がつきませんが」
「うんうん、前にも言ったけど、魔法がないからこそ技術で補ってきたんだよ。そっちだとその技術の部分を魔法が叶えてくれるから、そっちの方面で進化していくと考えるのが自然じゃないかな?」
「魔法での技術革新ですか」
エディはふと頭に思い浮かぶ事があり笑い出した。
「どうしたんだい?急に笑い出して」
「ああ、すいません。先日友達の女の子に言った言葉を思い出しまして。その子は鍛治職人を目指しているのですが、才の鍛治能力を持つ職人達には劣ることを気にしてまして、アドバイスとして魔法を使って鍛治をすることで可能性を見出してみてはどうかと言ったんですよ。それが今の話と繋がっていて面白いなと」
「へえ、そうなんだ?そういえばそっちには才というのもあったね。生まれ持っての技能があるんだからチートだよね」
「まあ、僕なんかその才のせいで酷い目にあってきましたけど。でも結論から言えばこの才のお陰でミノル君やユキノ姉さんに会えたし、いろいろと感謝してますよ」
「うんうん、そのポジティブ思考はいいと思うよ」
「前向きな考えですね」
こうして話をしながらエディとミノルは夢の中の時間を遺物の研究とエディの護身用ビットの開発研究にあてた。




