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予期せぬ報酬

テントが存在していたであろう場所の中心へと足を運んだ。


既に虫と兵士の遺体は重力魔法で消え去っている。

エディとしては気持ち悪いものを見なくて済みホッとした。


「これは・・・」


兵器と思われる装置を見てクレセアは声を上げた。


「これが何だか判るのですか?」


「これは 失われた技術ロストテクノロジーで出来た古代兵器の一つだ。

世界にはいくつかの古代兵器が存在しており、遺跡などから発掘されている。

その中で動くもの、動かないものがあるが、どうやらこれは動くみたいだな。

我の知る中では状態の良いものだ」


「なるほど。古代文明の遺物ですか。それではちょっと調べてみますね」


エディは古代兵器を分析した。


「えっと、これは古代アルカンタラ文明時代に作られた兵器で魔力倍増装置だそうです。これを介して魔法を放つと約十倍の威力になるらしいですね。

アルカンタラは今から約一万年前の文明らしいです」


「その様な物があったのか。恐ろしい兵器だな。それを放たれたら我とてどうなっていたか判らんな。

一万年前の文明か。我も生まれて居らぬのだから知らぬのも仕方がないことか」


「そうですね。でもこれって使用時間が限られていて、一度使うと暫くは使えないみたいです」


「そうか。制限があるのだな。これは人の手にあってはならぬ物だな。エディ、其方がこれを保管しておくがいい」


「え?僕も人なんですけど??」


エディは一体何を言っているのだろうと困惑した。


「其方は既に人の域を越えておる。今更だろう。それにそれは元は人の作り出したもの。其方の研究の役に立つやも知れんぞ」


「そう言われてしまえば探求心に火が点いてしまいますよ。でもこんな大きな物どうやって持って帰ろう?」


「今回も其方には世話になった。褒美としてこれをやろう」


クレセアはどこからか腕輪を取り出してエディの左腕にセットした。


「これは?腕輪ですか?」


「うむ、腕輪だが、只の腕輪ではない。我が作り出した特殊な腕輪だ。

先程の時空魔法の話があっただろう。その術式がその腕輪に施してある。

装着者が念じるだけで異空間へと繋がる様になっておる。

但し、人は入れぬがな。物を収納するのには便利だぞ」


「おお!これって、ミノル君が言っていた収納魔法ですか!?僕はこの世界には無いと思っていましたがあったのですね!」


「使い方は収納する場合は収納したい物に触れて念じれば良い。逆に取り出す時は取り出したい物を念じるのだ。

収納する際は特に注意はいらぬが取り出す際には周りに十分注意するのだぞ。大きなものが突然空間に現れれば多大な影響があるだろうからな」


「そうですね。いきなり出てきてペシャンコなんて嫌ですよね・・・

それで、これは収納する大きさや数に制限があるのですか?」


「我の魔力で作ったものであるから数量は気にする必要はない。重量や大きさに関しては容量に影響する。

例えば岩山なら3個が限界とかだとすれば、只の岩なら1000個は入るとかだな」


え?岩山なんかも入れられるの?と耳を疑ったエディだったが、そんなもの収納するのは良いが取り出すと大変な事になりそうだと想像しただけで危ないことがわかる。


「それでは試してみますね」


エディは古代兵器に手を触れて空間収納をイメージした。

すると古代兵器が薄くなり消えていった。

半信半疑で試してみたが実際に消えてなくなると少し感動を覚える。


「あ、この大きさだと20個が限界みたいですね。なんとなく情報が伝わってきました」


「うむ、ちゃんと使えるようだな」


「なんか毎回すごいものを頂いて申し訳ないです」


「気にすることはない。我も其方には感謝しておる故、その印だ」


「判りました。それでは遠慮なく使わせていただきます」


今日はかなりの収穫だったのでエディは興奮していた。

先程のロストテクノロジー。早速最新のラボで研究したい。この収納魔法があれあ常に実験道具を持ち運べる。

材料もほぼ無限に持ち歩けるので研究オタクとなりつつあるエディにとってこれ以上の褒美はない位だった。


「エディよ。喜んでおるところに水を差すようだが、今回の件、これで終わったとは限らぬ故、注意するのだぞ」


「はい。帝国の事です、また手を変え品を変えで攻め入ってくる事は考えられますので注意は怠りません」


「かの国は姑息な手段で相手国の戦力を削いだ上で戦を仕掛けるのが常套手段だからな。その手段が使えぬとなると今度は物量勝負で来るやも知れん」


「それならそれで打つ手はあります。お気遣いいただきありがとうございます」


「なに、我も其方には世話になったからの。其方に不利益になることがあっては我も寝覚めが悪いからな」


「それでは収納魔法が使える様になったので今度そちらに伺う時はお土産を沢山持っていきますね」


「うむ、期待しておるぞ。特に我は甘いものを所望する」


「えっ?クレセアさんって甘党だったのですか?」


「そうだ。森の奥深くに棲んでおるとなかなか口にする機会がないからの。以前に人里で口にした菓子は美味であったからな」


「判りました。それでは今度沢山作って持っていきますね」


「うむ期待しておる。すぐに来ても良いのだぞ」


どうやら相当期待されているらしい。


エディは古竜クレセアに別れを告げてセレオンへの帰路についた。


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