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二人の友達

後ろから声を掛けられたので振り向くとクラスで見掛けたことのある男女だった。


「相変わらずいつもイチャイチャしてるわねえ、あなた達」


「ホント、熱々カップルを見てるとこっちまで暑くなってくるぜ」


女性は赤髪のショートカットで活発そうな子だ。だからといって

男っぽいという雰囲気ではなくスタイルもあわせて女性として充分に魅力的な感じだと言える。背は小柄だがそれ程低いという程でもない。


男性の方はエディより頭半分くらい高い背でがっしりした体格だ。何か格闘技でもしているのだろうか?野性的な匂いがしないでもない。


「キリカさんとレオン君・・・イチャイチャだなんて・・・例えそうだったとしても冷やかさないでくださいな」


「え?イチャイチャについては否定はしないのね?ビックリだわ」


会話を聞いていたエディはただ一緒に歩いていただけなのにと疑問に思った。彼は朴念仁なのかも知れない。


「えっと、エディ君とは初めて話するわよね?私はキリカ。鍛冶職人の娘で将来鍛治になるためにここで勉強してるんだ」


「俺はレオンだ。特技は格闘技!と言いたいところなんだけど家が商人なんで武人でなく商人として修行をしに来たってわけだ。こう見えても算術は得意なんだぞ」


「二人とも顔はクラスで見掛けていたから判ります。僕はセレオン。この学院には図書館に見たい本があって来ました。もちろん、勉強で教わることも楽しみにしてましたけどね」


「うわあ、なんか勉強大好きって感じねえ」


「勉強も大事だけど男はやっぱ、身体を鍛えねえとな!」


勉強を目的としていると言うエディに対して否定をしているが嫌味な感じではなかった。


「身体はほどほどに鍛えていますので大丈夫です。そういえば二人はキャシーとは仲がいいのかな?」


「はい、そうなんです。初日にクラス編成した時にたまたま近くに居て声を掛け合ったのがきっかけなんです。お二人には仲良くしていただいております。エディが編入してからはそっちに頭が一杯でご紹介するのを忘れていました。申し訳ありません」


「やっぱり私達のことなんて眼中になかったのね・・・」


「な?だから言っただろ? ところで、前から気になってたんだけどよ。どうしてキャセリーヌさんはセレオンの事、エディって呼んでるんだ?セレオンが名前だろ?」


レオンは素朴な疑問をキャシーに投げかけた。


「えっと、エディは私の幼馴染なんです。10歳まではエディという名前でした。でも突然行方不明になって先日再会した時は名前がエディからセレオンになっていました。エディは今までいろいろ苦労している様で理由については深くは聞いておりません」


「あはは、そんな大層なものではないですよ。まあ、エディでもセレオンでもどちらでも好きに呼んで下さい」


「う~ん、エディ?セレオン?どっかで聞いた様な?そういえばセレオンって今飛ぶ鳥を落とす様な勢いで発展をしている工業都市と同じ名前だな?うちの商会もセレオンに店を構えるって親父が張り切ってから。

ん?待てよ?セレオンの領主が孤児を援助しててその子達を養子みたいな感じで引き取ってるんじゃないか?だったら同じ名前でも納得だな。そっか。セレオンも苦労してるみたいだな」


うんうんとレオンは勝手に納得して頷いている。エディはどう突っ込んで良いのやらわからずそのまま放置することにした。


「でも、私もエディって呼んでもいい?私の事もキリカでさん付けはなしでいいよ」


「んじゃあ、俺もエディって呼ばせてもらうからレオンでな!」


「うん、わかったよ。キリカにレオン。よろしくね」


「それじゃあ、私のこともキャシーと呼んで下さい。キリカさんとレオン君。呼び捨てはちょっと・・・」


「キャシー、慣れないなら無理しなくていいよ。そのうち慣れるかな?キャシーはお嬢様だからね。あ、でもエディは呼び捨てなんだね?」


「だってエディとは小さい頃から遊んでいましたので・・・特に意識したことはございません」


その後四人でとりとめのない話をしていたが辺りが暗くなってきたので解散して帰宅することとなった。

エディはこの様に同世代の者達と話をすることがなかったので友達として会話をすることがすごく新鮮だった。



そして翌日の昼休み。キャシーと話をしていると昨日の二人が加わってきた。


「ねえねえ、キャシーとエディは夏休みどうするの?」


「私は実家に帰る予定をしておりますよ?」


「だよね?私らは実家といっても同じ街に住んでる訳だからさあ。特別って感じじゃないんだよね。まあでも学院で学んだ成果を親に見せたいってのはあるけどね」


「キリカのご実家は鍛治屋さんでしたわよね?」


「うん、老舗の鍛冶屋でさあ、私も小さい頃から修行をしてたけどまだまだ足元にも及ばないって感じでさ。少しは成長したところ見せたいわけよ。って言ってもまだ学院に来てそれ程も経ってる訳じゃないんだけどさ」


「俺の実家は商人だからキリカの家みたいな感じとは違うけど、何か小さくても商売してみたいとは思うんだけどなあ。この夏休みで何か出来ないかな?」


「どうでしょう?何か良い考えはありますか?エディ」


「そうだな・・・まあ二人というよりもこの学院の生徒の夏休みの課題としてなら面白い行事が出来るかも知れないよ」


「面白い行事ですか?」


「なになに?すごく興味あるんだけど」


「学院の生徒の日頃の成果発表みたいなものです。レオンの様な商人は露店を開いてキリカの様な工人は製作物を並べるか商人と連携して販売してもらう。他にも自分の得意なものを見てもらったりするんだよ」


「なかなか面白そうだな。でもさあ、こういうのって既得権益というかギルドがうるさそうだな。横槍が入ってきそうだ」


「ですから学園の行事なのですよ。先生を通じて正式に研究会に申し入れをして認めて貰えばいいのです。交渉は僕がやりますよ」


「本当に!?エディ、助かる!よーし、最近作れる様になった武器を並べるぞ~」


「よし、それじゃ俺はキリカの武具を売ってやろう。他にも仕入れたものを混ぜれば見栄えも良くなるだろう」


「なんだかお二人とも乗り気ですね」


「そりゃあね。あ、でも許可がおりなければヌカ喜びで終わってしまうかも知れないわね」


「まあ、何とか承諾を貰えるように頑張ってみます。先ずはカレン先生に相談して学院の許可を貰わないとですね。」


エディは担任のカレンと学院長のアスタリアに話を通して研究会での議題とすることになった。


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