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転移装置

ミノルとの会話はユキノ親子の関係から遺物の解析へと移行した。


「遺物の解析の方は進展したのかい?」


「遺物の解析はほぼ終了しました。やはり一つだけでなく4つが合わさって力が発揮されるみたいです。ユキノ姉さんとの融合率も4つ合わせると急激に上昇しますから。あとは制御面と時空反応についての解析が残っているのですが、正直この部分が一番厄介なところでもあります」


「魔法のことについてはよく判らないけど、どういった具合に厄介なの?」


「もともとが固定されてた時間と場所の行き来に使われているものだった様なのですが、その部分が壊れてしまっているので今の状態では時間と場所がどうなるのかが不明確なのです。

それを指定の時間と場所に設定できる様にするためには刻印を入れ替える必要があるのですが、整合性や周辺の刻印への影響を考えながら組み替えが必要なのです。

手探りで組み合わせを変えながら検証するのを繰返しているのですが、実際に作動させて確かめてみる訳にはいかないのが厄介ですね」


「なんだか聞いてるだけでも大変そうだね。実際に動かさなくても確認できるシミュレータみないな物があればいいんだけど。で、それって出来そう?」


「時間を掛ければ何とかというところでしょうか。淡々と組み合わせを実行していくだけなで。でも、実際の稼動は出来ないので魔法の印加導通の確認くらいしか出来ませんけどね。それでも導通が確認できれば成功の可能性が高くなる事が判ります。

あとは膨大な魔法エネルギーを充填させる必要がありますね。通常の注入ではなく圧縮注入しないと魔法石が家の大きさ以上の容積が必要となりますので圧縮率を1000分の1程度に上げて造る必要があります」


「それって元の遺物を4つ組み合わせて使うのは出来ないの?」


「はい、この遺物はもう限界を超えているものなので次に魔力を注入すると崩壊してしまう恐れがあります」


「そっか、それで複製して新たに作り直しが必要なんだね」


「心配なのは暴走したり充分に性能を果たせない場合、どこに飛んでいくか判らないというのと、復元に失敗すると目的地に辿り着いたとしても悲惨な状態になってしまいます。あらゆるケースに対して安全装置が働く設計にしないと安心して使えません。

そう考えると元よりもかなり大きな装置になってしまいそうです。

大きさについては多積層化で解決は出来そうですけど」


「暴走するところは想像したくないね。今の話だと、完成した新型は繰返し使う事ができるんだよね?」


「はい、魔力チャージに時間は掛かりますが、基本的に何回でも使用が可能なはずですよ」


「ってことはそっちからこっちに送り出すのは当然としてこっちの世界からそっちに引っ張ってくることも可能?」


「そうですね。何を呼ぶかを特定できればという限定になります。そちらの世界を知らないことには対象の指定や位置の特定が出来ませんので。

こちらからそちらに飛ぶ場合にはマーカーを装着すれば帰る際の特定化は容易になります。まだ構想の段階ですが、そのマーカーが送信機を兼ねると飛んだ先から転送装置を起動させて思うように動かせる様になるかも知れません。この場合も装置に魔力チャージが済んでいると仮定しての事ですが」


「まあ、そりゃそうか。位置の特定はそっちから一度こちらに来れば解決できそうだね。

でも異世界召還なんてそんな位置とか対象とか現実的な問題無視してクラスごと転移させたりしてるけどね」


「たぶんそれは技術というよりも能力的なものじゃないんですか?頭で考えた事を実行するのと同様なことを現象として起こしているみたいな?」


「うん、そうかも知れないね。って、あくまでもフィクションだよ。フィクション。想像の世界。でも、ユキノさんは実際に転移しているし、僕も夢でエディと会っている。本来これも想像の世界の出来事なんだけどね。もう訳がわからなくなるよ」


「想像の世界と言われていたのは事実をいくらか脚色した話になって言い伝えられているんじゃないですか?伝説とかはそういうものだと思うんですけど。僕も伝説上の話と思っていた古竜と知り合うことができましたし」


「そうだね。そう割り切るしかないよね。そういえば、古竜とはあれから交流あるのかい?」


「いえ、特にはないですよ。なんだかまた会おうみたいな事言ってたから突然来そうですけど・・・」


「古竜って人の姿も出来るんだよね?会ってみたいな。ユキノさんのお母さんのリクエストにもドラゴンの写メが入っていたし」


「あれは人の姿じゃないでしょう。ドラゴンの姿ですよ。まあ本来の姿なのでこちらの方が撮りやすいとは思いますけど」


「エディの研究が進めば僕もそっちの世界に遊びに行けるようになるから是非ドラゴンとは友達になってみたいな」


「はい、完成した暁には。でも普通はおいそれと会える存在じゃないらしいんですけど」


「そりゃあ、いつもの“エディだから”でしょ」


「そうなりますよね・・・」


エディはみのると話がはずみ朝方まで話が続くこととなった。


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