爆発音=父親登場
リハビリっす
なんで死んだかは覚えていない
前世は日本人
青森産まれ、高校出て東京に働きに出て、仕事しながら資格を何個かとったら会社が潰れ
地元の同業種に再就職
久しぶりに友達と呑んでたら、いつの間にか来てた女の子の後輩といい感じになり、そのままホテル行ったら一発で孕まして結婚のコンボ
二人目の子供が小学校まで上がったのまでは覚えてるんだけど・・・
思い出したきっかけは3歳位の時だったろうか
家が浮き上がったんじゃないかって位の衝撃と、爆発音。
パラパラと天井から埃が落ちて
あの時兄貴に絵本を読んでもらってたんだけど、何の絵本か今でも思い出せない
デカイ音のせいで二人とも固まってたら、当時はまだ若かかったメイドのキャスリンおばさんがドアを開けて、オイラ達二人を両脇に抱えて玄関ホールまで走ってったんだ
玄関ホールには、親父以外の家に居る全員が集まってた
オイラ、兄貴のキール、メイドのキャスリンおばさん、執事のザックおじさん
母さんと、妹のクラリスはこの日爺様の家に行ってて居なかった
我が家はなかなか特殊で、錬金術を代々やっている
そのせいか、何か思いついたらすぐに錬金工房へ入れるように、玄関ホール、親父の寝室、中庭に地下工房への通路がある
その一つの玄関ホールの扉がバタンと勢い良く開いて、中から煙と親父が出てきた
割れたモノクル、埃を被った長めの黒髪、いつも着っぱなしのよれた黒いローブは薬品が飛び散ったのか所々濡れている
靴に割れたガラス瓶が刺さっているのか、ピキリと音が鳴って
「すまん、失敗した。」と親父は苦笑した
たぶん、この時の煙を嗅いだ時だと思う
前世、オイラはそれはそれは愛煙家だった
オフィスで煙草が吸えなくなると、外が豪雪だろうと雷雨だろうと吸いに出たし
子供が出来て、家で吸えなくても、娘に煙臭いと嫌がられても吸い続けた
常にポケットにひと箱とライター、鞄に予備のひと箱とライター常備
家には1カートン常備
煙を吸って歯抜けながら一生分の記憶を思い出したせいか、このあとオイラは熱を出して長いこと目を覚まさなかった
カールと前世の記憶が統合されたあと、真っ先に思ったのは、煙草が吸いたいなぁだった