絶対上位互換の作者の作者
「小さい世界観しか持たない学生こそ深く読んでくれる」
俺の前に、いや前で無いどこかで、何か、大いなる創造を絶した存在が生まれた気がした。
そうだ、コイツは俺であって、俺では絶対に無い、俺の来世的な存在と分類できる奴だ。
「下らない矮小な学生の時分を生きた、俺の実体験な」
俺は学生だ、下らない学生なのだ。
「俺って奴は、今はもうエロゲーの最高峰、そんなモノを嗜むくらいの情報強者だが、過去は違った。
そう此処だ、此処で情報収集する、そんな奴だった。
別に情報弱者だったわけじゃない、俺は此処で出会った物語に、俺が俺を誇りたくなるほどの、プライドを持っている」
コイツは俺だと確信できる、だが違う、二十歳くらいの俺なのだ。
「そうだ、此処には確実な、圧倒的で絶対的なリアリティーがあったのだ」
此処、つまりは”書籍化になろう”、なのだろう?
「ああそうだ。
俺は、凄く気に言った小説を、音読して、キャラを演技して、ウォークマンで百回くらい聞く、変態だったのだ。
俺みたいな変態みたいな奴が、俺の物語を深く嗜んでくれたら、凄く楽しくて、嬉しい気がするのだ」
リアルタイムの俺じゃねえかよ、過去のように語ってやがるけども。
「まあ俺の物語は、それほどのモノじゃない感じがするので、お勧めしないがな」
クソマジかよ、未来の俺って、その程度なのかよ、残念つか予想通りつうか、とにかく超残念だよ!
「その現状をまずは変えたい、昔の俺のような変態が、発狂して読んで、嗜んでくれるような奴が、奴を作りたいのだ」
マジで? 今からかよ、
そんなこと思う位なら、とっくの昔に代わっておけよ、ニートの明日頑張ると同じ匂いがコイツからしたのが、俺はショックだ。
「おい、下らない学生居るか?ぁ??!」
うわっ、わ! 突然大きな声出して、ビックリした、コイツ大丈夫か! 頭可笑しくなってるんじゃないだろうか!
まあ俺は今可笑しくなってないが、大人ってのは色々と大変で、こんな風に可笑しくなるのは認められないが、予想はできるのだ、それでも理解出来んし共感出来んが。
「いや学生じゃ無くても良い、下らない学生レベルの存在だ。
俺はそういう奴に向けて、全力全開で物語を書きたいと、文章で告白したいのだ!」
本当かよ、お前は大人だろうがよ、学生に、俺に、感情移入できるわけねーだろうがよ。
俺なんてガキで、周りに苛められる危機に怯えて、メンタルは豆腐なんだぞ!
お前なんて、その語り口調からして、鉄のメンタルっぽいぞ、絶対に無理だね!ばかばか!なんとなく嫌いだし!
「そうだ、あの頃は、本当に深く深く、果てしないほど、物語の世界に潜っていたのだ。」
うーむ、自分だからか、なんとなく共感できる感じだ、ちょっとだけ話を聞いてやるか、
まあ自分って俺が俺を認識できなかったら、とっくにブラウザバックするほどの、面白くないタイプの変態なのだが、なあぁ。
「だってリアルが、現実が全然駄目駄目だった。
現実から得られるモノよりも、物語の世界に浸り、潜っていた方が、俺は人生の経験値を得られたのだ。」
うおおおぉおお! 分かるぞ!それ分かる! 今の俺がそうだもん! 共感できる!心の友よおおお!!!
「そんな、現実よりも優越し、現実よりも捗る、狩り場としてのレべリングに成るような、
深いコアな物語を俺は創作したいのだ!」
うおおおおおおおおおお! やってくれやってくれ! 歓迎する! 絶対全部読んで、音読してかんそうするからよぉおお!
「だが駄目だ、俺の技術力はまだまだだ。
学生の頃、凄い戦闘描写に、心が、肉が血が湧き踊り、何度も助けられたのを思い出す。
あの果てしないほどの高揚、果てが無いほどの加速感」
おいおい、言い訳スンナよ、ひたすらに書けばいいんだよ!
有りの侭のお前を見せてくれれば、俺は満足なんだからよ! 飾り気も見栄もいらねええよ!
本心で、今の全力全開を、愚かでみすぼらしくて、どうしようもない有様でも良い! 俺は真のお前が見たい! 感じたいだけ! それで至上に満足なきぶんなんだからよおおおお!
「もっともっと高次元に深く、刺激的な戦闘描写を求めた、あの感覚を思い出して、物語を書いてみたい。
求めを高次元に実感できれば、俺は書ける気がするのだ、あの高みに至れる気が、」
ばーーーか! ばーーーーーーか!
お前の自己実現の為に書くな! 馬鹿! 馬鹿! 俺の為だけにお前は書けばいいんだよ! ばーーーか!
だがううぅうう! その戦闘描写に対する心構えは評価してやる! 全力でやってみろ! 全力で俺が評価してやる! 読んでやる!!!ぅうう!
てーか、一生懸命真にやってれば、そんな事は考えないんだよぉお! 己を客観視できてねえんじゃねえか? コイツは、馬鹿?
もっと感覚を研ぎ澄ませよ、大人ってこれだから馬鹿、余計な雑念を捨てて書けば、もっと俺の心に真に突き刺さるモノが書けるのにな、マジでもったいねえぇ。
「今だにするのだ、もう駄目になってしまったんじゃないかと思うほど、錆ついて動かない頭、技術力を結集して、作りたいのだ!」
うんうん、それで、まあ、いいんじゃないの、ここら辺の語りは、
でもまあ、なんか今の自分を卑下して、保険掛けてるみたいで、いやだなあ、言い訳スンナよ、弱虫かよ、臆病モン、
こっちは毎日死ぬような目にあって、自殺すら考えてんだ、安全圏に居ずに、こっち来いよ、
いやそれは無理か、大人は安全圏に居るんだ、少なくとも子供に比べたらな遥かにな、
だったらだ、まずは全部を取り払って、裸いっちょうで、来るのが、はたして礼儀みたいなモンじゃないのか?
そうじゃないのに、お前を真に救いたい、助けたいって言われても、正直説得力ねえよ、半減以下だぜ。
「そうだ! あの渇望を思いだそう!
あの絶頂感を! あの高揚感を! 絶望するほどに果てしないほどに思い悩んだ、苦悩日々を! 欲望を!」
あーそうですか、お前の苦悩なんて、所詮レベルだと思いますけどねえ。
だって真に苦悩したら、相当にレベルアップしてるか、自殺してるだろ?
一人で盛り上がって、きめええことこの上ないぜ、批判的に見過ぎてるけど、これも俺が今思う事の一側面なんだぜ?
もっと、しっかりしてくれよ。
「俺は確実に変わるぞ! 変わりたいから! 変わるんだ!
超一流すら超越する、いやもうそもそも、そんな一流とか関係ねえよ!
コアで超絶に面白い、俺が求めるだけの、俺の過去の求めに答える為だけの、最強小説を作るんだよ!
今の俺ができる最大最適な! 全力全開でな! 掛かってこいや! 世界の全て! 俺は俺の信じる勝利をもぎとってやるんだぜぇ!!」
ふーん、まあ書けよ、観てやるからよ、俺の小説なんだからな。