表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

絶対上位互換の作者の作者



「小さい世界観しか持たない学生こそ深く読んでくれる」


 俺の前に、いや前で無いどこかで、何か、大いなる創造を絶した存在が生まれた気がした。

 そうだ、コイツは俺であって、俺では絶対に無い、俺の来世的な存在と分類できる奴だ。


「下らない矮小な学生の時分を生きた、俺の実体験な」


 俺は学生だ、下らない学生なのだ。


「俺って奴は、今はもうエロゲーの最高峰、そんなモノを嗜むくらいの情報強者だが、過去は違った。

 そう此処だ、此処で情報収集する、そんな奴だった。

 別に情報弱者だったわけじゃない、俺は此処で出会った物語に、俺が俺を誇りたくなるほどの、プライドを持っている」


 コイツは俺だと確信できる、だが違う、二十歳くらいの俺なのだ。


「そうだ、此処には確実な、圧倒的で絶対的なリアリティーがあったのだ」


 此処、つまりは”書籍化になろう”、なのだろう?


「ああそうだ。

 俺は、凄く気に言った小説を、音読して、キャラを演技して、ウォークマンで百回くらい聞く、変態だったのだ。

 俺みたいな変態みたいな奴が、俺の物語を深く嗜んでくれたら、凄く楽しくて、嬉しい気がするのだ」


 リアルタイムの俺じゃねえかよ、過去のように語ってやがるけども。


「まあ俺の物語は、それほどのモノじゃない感じがするので、お勧めしないがな」


 クソマジかよ、未来の俺って、その程度なのかよ、残念つか予想通りつうか、とにかく超残念だよ!


「その現状をまずは変えたい、昔の俺のような変態が、発狂して読んで、嗜んでくれるような奴が、奴を作りたいのだ」


 マジで? 今からかよ、

 そんなこと思う位なら、とっくの昔に代わっておけよ、ニートの明日頑張ると同じ匂いがコイツからしたのが、俺はショックだ。


「おい、下らない学生居るか?ぁ??!」


 うわっ、わ! 突然大きな声出して、ビックリした、コイツ大丈夫か! 頭可笑しくなってるんじゃないだろうか!

 まあ俺は今可笑しくなってないが、大人ってのは色々と大変で、こんな風に可笑しくなるのは認められないが、予想はできるのだ、それでも理解出来んし共感出来んが。


「いや学生じゃ無くても良い、下らない学生レベルの存在だ。

 俺はそういう奴に向けて、全力全開で物語を書きたいと、文章で告白したいのだ!」


 本当かよ、お前は大人だろうがよ、学生に、俺に、感情移入できるわけねーだろうがよ。

 俺なんてガキで、周りに苛められる危機に怯えて、メンタルは豆腐なんだぞ!

 お前なんて、その語り口調からして、鉄のメンタルっぽいぞ、絶対に無理だね!ばかばか!なんとなく嫌いだし!


「そうだ、あの頃は、本当に深く深く、果てしないほど、物語の世界に潜っていたのだ。」


 うーむ、自分だからか、なんとなく共感できる感じだ、ちょっとだけ話を聞いてやるか、

 まあ自分って俺が俺を認識できなかったら、とっくにブラウザバックするほどの、面白くないタイプの変態なのだが、なあぁ。

 

「だってリアルが、現実が全然駄目駄目だった。

 現実から得られるモノよりも、物語の世界に浸り、潜っていた方が、俺は人生の経験値を得られたのだ。」


 うおおおぉおお! 分かるぞ!それ分かる! 今の俺がそうだもん! 共感できる!心の友よおおお!!!


「そんな、現実よりも優越し、現実よりも捗る、狩り場としてのレべリングに成るような、

 深いコアな物語を俺は創作したいのだ!」


 うおおおおおおおおおお! やってくれやってくれ! 歓迎する! 絶対全部読んで、音読してかんそうするからよぉおお!


「だが駄目だ、俺の技術力はまだまだだ。

 学生の頃、凄い戦闘描写に、心が、肉が血が湧き踊り、何度も助けられたのを思い出す。

 あの果てしないほどの高揚、果てが無いほどの加速感」


 おいおい、言い訳スンナよ、ひたすらに書けばいいんだよ! 

 有りの侭のお前を見せてくれれば、俺は満足なんだからよ! 飾り気も見栄もいらねええよ! 

 本心で、今の全力全開を、愚かでみすぼらしくて、どうしようもない有様でも良い! 俺は真のお前が見たい! 感じたいだけ! それで至上に満足なきぶんなんだからよおおおお!

 

「もっともっと高次元に深く、刺激的な戦闘描写を求めた、あの感覚を思い出して、物語を書いてみたい。

 求めを高次元に実感できれば、俺は書ける気がするのだ、あの高みに至れる気が、」


 ばーーーか! ばーーーーーーか!

 お前の自己実現の為に書くな! 馬鹿! 馬鹿! 俺の為だけにお前は書けばいいんだよ! ばーーーか!

 だがううぅうう! その戦闘描写に対する心構えは評価してやる! 全力でやってみろ! 全力で俺が評価してやる! 読んでやる!!!ぅうう!

 てーか、一生懸命真にやってれば、そんな事は考えないんだよぉお! 己を客観視できてねえんじゃねえか? コイツは、馬鹿?

 もっと感覚を研ぎ澄ませよ、大人ってこれだから馬鹿、余計な雑念を捨てて書けば、もっと俺の心に真に突き刺さるモノが書けるのにな、マジでもったいねえぇ。

 

「今だにするのだ、もう駄目になってしまったんじゃないかと思うほど、錆ついて動かない頭、技術力を結集して、作りたいのだ!」


 うんうん、それで、まあ、いいんじゃないの、ここら辺の語りは、

 でもまあ、なんか今の自分を卑下して、保険掛けてるみたいで、いやだなあ、言い訳スンナよ、弱虫かよ、臆病モン、

 こっちは毎日死ぬような目にあって、自殺すら考えてんだ、安全圏に居ずに、こっち来いよ、

 いやそれは無理か、大人は安全圏に居るんだ、少なくとも子供に比べたらな遥かにな、

 だったらだ、まずは全部を取り払って、裸いっちょうで、来るのが、はたして礼儀みたいなモンじゃないのか?

 そうじゃないのに、お前を真に救いたい、助けたいって言われても、正直説得力ねえよ、半減以下だぜ。


「そうだ! あの渇望を思いだそう!

 あの絶頂感を! あの高揚感を! 絶望するほどに果てしないほどに思い悩んだ、苦悩日々を! 欲望を!」


 あーそうですか、お前の苦悩なんて、所詮レベルだと思いますけどねえ。

 だって真に苦悩したら、相当にレベルアップしてるか、自殺してるだろ?

 一人で盛り上がって、きめええことこの上ないぜ、批判的に見過ぎてるけど、これも俺が今思う事の一側面なんだぜ? 

 もっと、しっかりしてくれよ。


「俺は確実に変わるぞ! 変わりたいから! 変わるんだ!

 超一流すら超越する、いやもうそもそも、そんな一流とか関係ねえよ! 

 コアで超絶に面白い、俺が求めるだけの、俺の過去の求めに答える為だけの、最強小説を作るんだよ! 

 今の俺ができる最大最適な! 全力全開でな! 掛かってこいや! 世界の全て! 俺は俺の信じる勝利をもぎとってやるんだぜぇ!!」


 ふーん、まあ書けよ、観てやるからよ、俺の小説なんだからな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] いいね! 過去の俺vs今の俺か。真似してみよう。 [一言] 「誰だお前。デブだな」 20年後のお前だ。 「おーってことはあれか。金持ちになりすぎてデブになったのか」 違う。フリーター…
2017/04/24 18:41 退会済み
管理
[一言] 中身は置いといて新着短編小説に同じ作者の作品が3つ並んでるとか尊敬するよ
2017/04/24 17:59 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ