適性見たよ!さぁどうしよう?
家の中に明るい日の光が差し込んでくる。
眩しさに目を開けると、ベットから起きだし、空気を入れ替えるのに、窓を開けた。
まだ、朝も早く、周りの住人も起きだしてはいないようだが、そろそろ支度を始めなくては。
昨日、テイマーとして冒険者を始めたギルには、冒険を始めるにあたり、モンスターを捕まえ仲間にする必要があった。
「テイマーか。」
思わずそう呟き、昨日のギルドでの出来事を思い返す。
ギルが冒険者ギルドに行き、登録がしたいと告げると、受付の女性に2階の小部屋へと通された。
冒険者といっても、いろいろな者がいる為、皆最初はここで自分の適性を判断されるのだという。
もちろん、どうしても使いたい武器があったり、スタイルがあったりすれば、従わなくても大丈夫ですと説明はされた。
女性に言われるまま、部屋の中央にあった水晶に手を置くと、光とともに心地よい暖かさが手のひらに広がった。目の前に半透明の文字が浮かび上がる。
ギル Lv 1 ランクF
テイマー ハンター ドルイド
本人の性格もあるのか、植物や動物に関わる適性職が多いが、あまり気にせずともいいだろう。
ギルは、あまり悩まず、テイマーの文字を指で触れていた。
戦うことがそんなに得意ではないため、仲間がいれば、少しは心強いかと考えての選択だった。
触れる瞬間、女性の眉が少し歪んだ気がするがなぜだろう?
考えていると、今まで事務的に進めていた女性が声をかけてきた。
「本当によろしかったんですの?」
なぜか少し心配そうな声色だ。
「うん、僕はあまり戦いが得意ではないから。」
「そういうことならよろしいんですが…でもテイマーですと最初は大変かもしれませんわよ?使役するモンスターが見つかりづらいと聞いていますわ」
「えっ!?そうなの?知らなかった!」
ギルは驚きの声を上げた。思い返せばあまり、冒険者でテイマーをしている話は聞かない。
いるにはいるかもしれないが、人数は少ないのだろう。
「地道に頑張って、テイムするか、ショップでモンスターを購入するかですわね」
早くもギルの冒険者人生は先が見えなかった。l