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神の一族  作者: 佐藤啓作
8/9

日曜日(2)

 俺は逃げた。

 死にものぐるいで逃げた。

 巨人の攻撃は当たることがなく、俺はその全てを紙一重でかわした。

 やつの攻撃は猛攻で、俺はついに壁際に追い込まれた。

「くっ……」

 死ぬわけにはいかなかった。

 可愛いベティーを残して、どうして死ねようか。

 俺は遂に最後の手段を使った。

 背中に生えた羽を使って、猛然とやつの顔面に向かって飛んだのだ。

 今まで凄い形相で追いかけていた巨人の顔が、見る見る恐怖へ変わった。

 恐れよ俺達は神の一族なのだ!

 俺はひるんだやつの頭上を飛び越え、背後の隙間へと逃げ込んだ。

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