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日曜日(2)
俺は逃げた。
死にものぐるいで逃げた。
巨人の攻撃は当たることがなく、俺はその全てを紙一重でかわした。
やつの攻撃は猛攻で、俺はついに壁際に追い込まれた。
「くっ……」
死ぬわけにはいかなかった。
可愛いベティーを残して、どうして死ねようか。
俺は遂に最後の手段を使った。
背中に生えた羽を使って、猛然とやつの顔面に向かって飛んだのだ。
今まで凄い形相で追いかけていた巨人の顔が、見る見る恐怖へ変わった。
恐れよ俺達は神の一族なのだ!
俺はひるんだやつの頭上を飛び越え、背後の隙間へと逃げ込んだ。