4平和な日常?
折れた刀。
すぐそばに横たわる一人の少女。
床には一面の血の海が広がっている。
もう一生見たくない。そんな光景だった。
いつかのあの夜の出来事。
誰かが近づいてくる。そいつは
金剛色の瞳と琥珀色の瞳でこちらを見ていた。
「コラー、起きろォー。」
顔面に拳が飛んできて目が覚めた。
そこには赤茶色の瞳でむぅ、って膨れっ面の理央がいた。
俺は昨日の一件がありとても疲れていたのか起こしに来てくれた理央の声が聞こえていなかったらしい。突然の拳骨によって起こされた。
「痛ってっ」「私の美声で起きないやつが悪い」と軽くいなされた。そんな理央は制服の上からエプロンを着てキッチンでお弁当を詰めいていた。
理央とはとある事件で出会った時からたまに家に来て助けてくれる。彼女は助けてくれた命の恩人として俺に恩返しをしているのか定かではない。でも俺は助けたと一度も思ったことはない。なぜなら理央には昔の記憶がないからだ。正確にはただ一人だけの家族である姉との思い出を除いてだが。俺は理央を守りきれなかった、守りきれず記憶は消されてしまった。理央は記憶を消された後俺がそんな理央を助け出して今はかくまっている。次第に仲良くなり、今では母親を小さ時に亡くなり片親だった俺の生活を見かねて俺を助けてくれた。そんな理央には感謝している。
「いつもありがとうございます、理央様」
「急に褒めるんじゃない。照れるじゃない…。こっちの方が感謝しきれないけど…。
あ、でも骨折が治ったら自分で家事はしてくださいねー」
「それは頑張るつもり」と骨折する前に自分で作ったご飯を思い浮かべるだけで苦しくなってきた。
ピーンポーン…
こんな朝方に宅配物を頼むわけがない。
急な訪問に誰かと思って戸を開けてみたら、そこにはマナがいた。
「え〜、マナちゃん⁈、どうしてここに⁇」戸を開けた理央がビックリしていた。俺は先に伝えておくべきだったかもしれないと後悔した。
またマナも理央がいることを知らなかっためにお互い唖然としていた。
「有栖川さんごめん、近くに引っ越してきたのにこっちから挨拶いけなくて」とマナは仕事のことについて話に来たのだろうけど、何も知らない理央の前でそれを言うのは良くないと思いとっさに話をつくった。
「あ、へ?ああ、そういう…。そう、こちらこそ挨拶が遅れてしまってすいません。早めの方が良いかと思って前にこちらからお伺いに来ました。」
マナはいつもとは違う口調でなんだかかしこまって話していたが、どうやらアドリブが苦手そうだったらしい、アイコンタクトで訴えかけてきたような気がしたが、なんとか持ち堪えてくれた。
「近くに住んでいることを知っていたらこっちから行ったのに、」流石の理央もこの二人の関係に疑いをかけると思いきや、誤魔化せたらしい。
「ところでどうしてお二人は同じ部屋にいるのですか?」とマナはさっきから気になっていた疑問をぷつけた。
「あ〜そうね、ダメ幼馴染の介護兼お世話中なのよ」と皮肉たっぷりに言う理央。
ここんところ毎日来てもらっていたからストレスが溜まっていたのかもしれない。こんど駅前のカフェで奢る必要がありそうだ
「ああ、なんだ一緒に住んでいるわけではないんだ」どこか安心したマナは「私は本当に挨拶に来ただけなのでこれで、道久君また学校で、」と言い残して去って行った。
そんな嵐が去った後、
「みっちゃん、いつマナちゃんと仲よなったの?」と理央は率直な疑問を俺にぶつける。
「たまたまアパート前で部屋がどこか迷っていた時に教えてあげたぐらいだよ。そこまで仲は良くない」とそれを聞いて理央もどこか安心した様子であった。
学校についてからマナに捕まり、空き教室まで連れてかれた。
「ちょっと、聞いてないわよ理央さんがいるなんて、お陰様で初対面緊張モードで話しちゃったじゃない」
「そうか、緊張してたんだ。あんまり気にならなかったぞ。敬語がやたらと多かったがな」
「ムウ〜、気にしてるからね。私だってもっとフランクな感じで接っしやすいイメージ作りたいの、これからのためにも‼︎」
「わかったよ、クラスで馴染めるよう協力はするから」
「それはそうとして今日学長から私宛てに任務についての書類が送られてきたわ」と、
朝渡せなかった仕事の書類を受け取った。こんどの仕事は飛行機のハイジャックテロの阻止らしい。敵は大きめの犯罪グループであったがこういう細かい情報が事前に知れたのは初めてのことであった。このときに俺は気づくべきであった、情報は何百という兵器より恐ろしいものだということを、…
「うん?潜入方法について二人で夫婦の役で招待されたように手配しておくって?」
思いがけない内容が書類に書いてあった。どうせ学長のことだろうお互いの仲を深めるためこんな作戦にしたのだろう。
でもマナも女性だ。好きな人がいるなら俺との役を辞めておいた方がいいと思う。
「マナ?俺と夫婦役でいいのか?嫌なら別の潜入方法に変えるけど?」
「うん?えっ、もちろん大丈夫よ、逆に私に彼氏がいるわけないでしょ、元死神なんだし」
マナは自分のことをやけに過小評価するらしい。そんなこと一度も思ってないが、むしろ容姿はいい方だと思うが今は言わないでおこう。
「大丈夫ならこのままでいこう」
マナはなぜだか小さなガッツポーズをしていた。
「マナにとっては初任務だからな、大丈夫か?」
「ええ、大丈夫。むしろ楽しみなぐらい」
「そんな楽しみことではないけどな。それと忠告しておくぞ、マナは好戦的に主に一人で戦うスタンスだが、今は違う…しっかり俺をたよれよ。前見たいに思い詰めることがないようにな」
「それはわかってる、安心してもう前とは違う」
「よし、ではパートナーとしての初仕事、頑張りますか」明日の朝一の飛行機に乗る予定なのでその日はマナと別れた後すぐに眠ることにした。少しばかり考え事をしていたがなんだか忘れてしまった。いつもならなんとでもない任務なのに今回はマナがいるからか、戦力としてはむしろいつも一人でするよりプラスだがなんだか胸騒ぎがした。何も起こらなければいいのだけど…そんなことを考えていたら眠りに落ちていた。




