3早めの再会
いきなりの彼女の登場にクラスはますます盛り上がりをみせた。しかもついでに彼女の容姿は平均を遥かに超えているためホームルームが終わったあとでも話題は彼女のことで持ちきりであった。
彼女は今までの仕事の分野的に、会話にはあまり不慣れな様子であった。
「ねぇねぇ、有栖川さん、私は理央。これからよろしくね!」
「理央さん?ヨロシクお願い、しま、す」
「もう、理央って呼び捨てでいいからね。じゃあこっちもマナちゃんでいいかな?」
「は、はい!」と彼女はちょっぴり嬉しそうであった。
「理央ちゃんの陽が強すぎて死神さんには辛そうだな」と大輝はそんな光景を見ながら俺に話していた。
「そんなことよりよく有栖川の拘束許可が上から降りたな。一応、人殺してるぞあいつ。」
「まぁよくは知らないがお前が連れてきたんだ、上も信頼してるいうか、まぁ監視役もいるし大丈夫なんだろう」
「監視役?誰が?」
「お前それも聞いてないのか、お前だよお前。お前の仕事のパートナー決まってなかっただろう。だから彼女が抜擢された」
急に衝撃の事実を知らされた。
「おい、待て俺だけ知らなかったのかよ。普通は一番重要な俺に知らせるだろ」とぼやいていたがもう決まっていることなら仕方ない。
「では、そういことなので道久君頑張りたまえ」と他人事のように(実際に他人事なのだか)言って来る大輝を殴ってやりたくなった。
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今日は高校2年の初日ということもあってか学校は早めに終わった。
俺は"大事な用事"を済ませるために学園長室へ向かった。
この玲綾学園には秘密がある。それは学園自体が国の防衛任務の機関そのものであるということ。
全ての生徒がそれに携わっているわけではないし、一般の生徒も多数いる。
でも残りの5パーセントほどの生徒は俺らみたいに実際に任務を遂行したりしている。
学長室にはすでに大輝や他の組織メンバーが数人いた。
「ミッチー遅いぞ〜」
「いや、時間通りだ。問題ない、全員揃ったので今から定例会議を始める」と重みのある声で学園長が仕切った。学長は父さんの直属の部下であり組織の大半を任されている。そしてこの組織をJapan government Intelligence Agency略してGIA、いつも思うがJはどこにいったのか不思議でしょうがない機関なのだ。主に国内の敵対分子の監視及び制圧などを受け持っている。
「道久君も今日知ったように、うち(組織)で彼女(死神)を預かることになった。彼女には今のところ敵意は感じられないし、組織の圧倒的な人員不足を補うということもあって道久君のパートナーとして前線で任務にあたってもらうつもりだ、彼女の了承はすでに得ている。」皆は異論がない様子であったが
「ちょっと待ってください。彼女を保護するのには賛成ですが、前線で戦わせるのはリスクもありますし、個人の意見として戦わせたくありません。」俺は彼女を助けると約束したのにこっち側の仲間として戦うというのは前と何も変わっていないような気がして強く反対した。
しかし学長の意向は変わらない。
「今はそうするしかないんだ。彼女は生きてるだけで我々にとって悪い影響を及ぼす可能性が高いと国の上層部は判断したようで、味方につくという条件で今があるんだ。今はしばらく辛抱してくないか、」と学長も本心は納得仕切っていないが立場を悪くさせるのも申し訳なく思い、口籠もることしかできなかった。
「それともう一つ大事なことがあるのだが、彼女の前組織がまた取り返しに来る可能性が高いので全員気を引き締めてくれ、特に道久君は頼んだぞ」
「は、はい」
彼女を助けたのに言ったこととは矛盾してしまったような気がして今は彼女と顔を合わせる気がしなかったが、一度情報を伝えるためにも会いに行くことにした。
彼女、マナは俺のことを待っていたのか正門を出てすぐのところにいた。
「あの、道久君、さん」
「道久でいいよ」
「道久ごめん、その傷。謝っても償えないけど。」彼女は彼女なりに事件での一件を気にしていたらしく、謝ってきた。
「そんなに謝らなくていいよ、こっちもごめんな。また同じ仕事をさせるかもしれなくて、でも俺が全部するから君の手は絶対汚させない。汚れるのは俺だけで十分だ。」
「わかった、ありがとう…。では私が道久を守る。絶対に…」彼女も意地があったとのだろう。
「まぁ、期待はしとく。でも俺強いぞ?」と笑って見せた
「え、でも私に負けたじゃん?」
しっかり痛いところをついてくる彼女。
俺だって国防省直属の秘密組織(GIA)に入っているだけあってスキルには自信があったが結果には逆らうことができなかった。
「あれはよけなかっただけだ。本当なら余裕にかわして反撃の一つや二つぐらいできるわ」と俺も意地を張って言い返したがバレているのか、彼女は
「ヨユーね、私も手加減したけどね」とさきっきまでの謝罪していた彼女はどこに行ったのかレベルで楽しそうに言い返ししてきた。
「お前、今は普通に喋っているのに朝のクラスではひどかったなぁ〜。人にもっと慣れとけよ」
「私だって喋れますぅ、失礼なヤツ」
「失礼とはなんだ、コラ、こっちは助言してあげてるのに…」
「ねえ、有栖川さん、帰りにどこかによってく?最近、駅前にシュークリーム専門店ができたんだけど…甘いの苦手じゃなかったら、どうかな?」
「え、ええええ?それってデート…」
「なんでそうなるんだよ。普通に、ほらパートナー記念日に」
「別にデートでもいいんだけど…よし行こう!
後、私のこともマナって呼んでね。対等な立場がいいの…」
「わかった、今から行くけどチャリの後ろ乗る?」
「う、うん。そうさせてもらうわ…」
いつもの彼女の鍛えられているゴツゴツとした男っぽい手を腰に回して来てギュッとくっついてきた。
「流石にそれは恥ずかしい」流石にこれには耐えられなかった、そしてそれに気づいたマナも恥ずかしそうにしていた。
店までは坂を下るだけなのですぐに着いた。人は平日ということもあってか人気店の割には余裕があったかもしれない。列の順番はスムーズにまわって来た。
予約で頼んでおいたこの店一押しのカスタードシュークリームを二人で頬張った。
「おいし〜いい。こんなの初めて…」
「よかった気に入ってくれて。最近スイーツ巡りにはまっていて一人でいくのは少しきまずかったからついてきてくれて良かったよ。感謝してる。」
「うん、いいの、いいの。食べれられただけて幸せだから。私、今まで前の仕事のようなことばかりしてて…楽しみってのがあんまりなかったんだ。私って可愛くないし、女子力ないし、殺すことしかできない。」
「でもね、今は違う。ありがとね。誘ってくれて」
「それは、どいたしまして。」
「ちなみにマナは、、可愛い方だと思うよ」
「え、エエエエエエ?そんなことは…」褒めすぎたらしい。会話が続かなくなってしまった。まぁでも別にかわいいってのは事実ではないか。あんまりいないとおもうが、こんな美女。
「相対的にね。俺の好みとかじゃないから信ぴょう性はあるぞ、」
「それは…自分の好みと言って欲しかった…
」なぜだかさっきまで赤かった彼女の頬は戻ってしまった。なんか言っちゃったかな…
「てかもう帰らなくて良いのか?」、外はもう夕日は見えなくなり一面星が見えてきていた。いつのまにか暗くなっていたらしい。俺はひとまず彼女が落ち込んでいなくてほっとした。
「ところでお前はどこに住んでるの?パートナーだし位置ぐらい知っておかないと」
「え、?聞いてないの道久の家よ」
「はい?」「そういうことですこれからよろしくね⭐︎」
「いやいやいや、わかんない?若い女子は男子の家には泊まっちゃダメなの、あと理央も来るし…何て言い訳すれば…」この時俺は気づいた。この娘は仕事のしすぎです常識というものが無い時いうことに。
「え、そういうものなの?」
「普通、好きでも無いやつと一緒な家ですまないの、もしオレか襲ってきたらどうするの?いやしないけど」
彼女も流石に察したらしい顔赤くしていた「…好きではあるかもしれな…」なんかブツブツ言っていたが、学長にはお願いして理央と俺が住んでいるマンションの一室を借りるということで解決した。




