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10.5次のシナリオは「剣士の女神」

上空3万3,000フィート

「すいません、凛さん。お聞きしますが、

わざわざこんなやり方でフランスに入国しなくてもよかったんじゃないですか?別のやり方だって他に」

「"別のやり方って…あなたをどうやって入国させるか考えるの大変だだたんだから。金属探知機にも引っかかるし、パスポートのは偽装だってしないといけないし、空港で止められるの確定だわ。少しは面倒だけどこれが確実で最速よ。"」

「そうだとおっしゃっても…

米軍のステルス爆撃機を使って空から紐なしバンジーなんて…

いくらなんでも無茶苦茶です。」

「"それがあんたには大丈夫なんだよな。その、人工皮膚はステルス性にも耐熱性にも優れ、ほとんどの身体はチタン合金の最強硬度を誇る。よって、パラシュートなしで着地しても門田ないわ。それと、あなたの情報と交換に要請したのよ。その爆撃機。米軍もあなたに興味津々よ。なので後から検査に協力してね。"」

「私の考えてることアメリカにバレるのは…それはそれで恥ずかしいです。」

「"バレないけど、米軍はあなたの身体の仕組みを知って軍事利用したいだけだし。どうせ大したこと考えてないでしょ。あなた。"」

「…」

図星だった。今も頭の中は幼い女の子のまま。好きな人のことを考えたり…

「"千夏ちゃん。もうすぐ降下ポイントに到着するから。今本部から作戦開始命令が出たから。

まずはヘリがいるからそれを破壊。

それとできれば調子乗ってるジジイをやっちゃいな。

あと、あっても自分から正体をばらさないようにな。あいつに

オケ?"」

「…Roger、」最後のやつは渋々従った

神経接続は着地の負担を考え、一部切断。

精神ともに脳周波は安定。

破損及び亀裂なし。

外部刀装着済み

全てオールクリア

「"第1特化部隊No.B-172降下開始"」

格納庫が開き下には明るい町の光が見える。

あそこに彼がいるなら、私は行きたい。

「凛さん、約束守れなかったらごめんね。」

彼女の姿はすぐに見えなくなった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ソニックブームが聞こえたあと俺から目の前に見た光景は現実離れしていた。

さっきまで飛んでいたヘリは胴体中央です真っ二つになっていた。

そして俺に向けられていた拳銃は原型が残らずに跡形もなく消えてなくなっていた。

空からの衝撃波で俺は飛ばされるかと思いきや、誰かに受け止められた。

「…助けにきたよ。ひさ君…」

懐かしいような声。

俺を助けた彼女はゴーグルで顔は見えず、正体は分からなかったが、味方であるのには違いない。

パン、…

一発の銃声が聞こえ、その弾丸は彼女の頭を狙って放たれたが、弾は届かなかった。

彼女が持つ刃渡1メートルほどの刀によって弾は二つに裂けていた。

「あれが、例のジジイか、」

エドワードはヘリの胴体ごと斬られたのにもかかわらず、生きていた。

「黒服どもあいつを、アイツだけは始末しろ」

どこから呼んだのか四方八方から現れた。

銃弾の雨が彼女を襲うが、彼女にもとってはただの物理法則が効いた弾に過ぎないため、いとも簡単にかわしきってしまった。


しかしその隙にエドワードは別のヘリを発進させて飛び出してしまった。

「流石の私も空は飛べないですね…」

彼女であってもあの高度まで上がって斬ることは不可能に近い。

俺はチェロのケースを開けて中のものを取り出す。

そこには50口径対装甲車用スナイパーライフルがあった。

「道久、それ撃てるの?怪我している左手を使わずに撃つなんて。反動で肩が砕けるわよ。それ以前に当てるなんて…また痩せ我慢しているのなら止めるわよ。」

自力で川から上がってきたマナは心配そうな目つきで俺に駆け寄り射撃を止めようとした。


「心配しなくていいんじゃない。


だってこれが彼の本職ですから、

待って、念の為私が持つわ。それなら安全に撃てるでしょ。」

刀を持った彼女が俺に後ろから抱きつく感じでライフルを固定してくれた。

これなら安定して撃てる。正直、肋骨が折れていて反動に耐えられるか心配だった


けど、なんで俺が元スナイパーということを知っているのか。2年前に辞めてそれっきりだったのに…

しかも、なんでその支え方?

疑問はあったが今はそれどころじゃない。

弾を確認して装填する。

エドワードを乗せたヘリまでの距離は準備に時間がかかったせいか2キロ弱ぐらいで有効射程距離ギリギリだった。

撃てる弾数は、たった一発。

ガソリン部分に引火させて誘爆させる。

強い衝撃の反動とともに弾丸は発射された。

ドーン、

轟音とともに弾は見事燃料部分に着弾。

ヘリは火に包まれ川へと、次期に墜落するだろう。

他で待機していたGIAエージェントに連絡してエドワードの確保に向かわせた。


そのあと、かえってきた報告は無事確保したということだった。

ふーう、銃を向けられたときは死んだかと思った。助けに来てくれた彼女に感謝だな。

「それより一応聞くけど君は誰?」一緒に戦ってくれたんだ。多分合流予定だった助っ人には間違いないが…



「私は…」

彼女の長い黒髪が風で流れ、

身につけていたゴーグルを外し、何か言いかけたとき、

誰かが割入った。顔を隠そうとしたのか彼女の顔が俺だけに見えないよう俺と彼女の前に立ち塞がる。

「あらー、道久君こんなところで会うなんて、久しぶり」

「ご無沙汰してます。作戦部長、凛さん。」


四宮 凛


父さんの妹だ。小さいときによく面倒を見てくれたのを今でも覚えてる。

「いいのよ、そんなにかしこまらなくて、

それより、今はちょっとこの子に用事があるから連れてくね。それじゃ。」

半ば強引に剣士の彼女を連れていく。そんなか彼女は何か言おうとしているが凛さんに口を思いっきり掴まれ、口をモゾモゾしていた。

凛さんは嵐のように去っていった。

マナが近づいてくる。

「あの子、強かったね。流石、最高戦力といったところか、あの剣さばきの近接なら勝てる者はいないわね。」

あの子のことを知らなかったのは残念だが、凛さんが連れていくってことはよほど大事なことなんだろう。

今は知らなくていい。次にあったらお礼しておこう。

「マナ、ひとまず日本に帰るか。疲れたし、」

「あー、あ!

明日、体育祭じゃん。何も準備してないよ。勝てるかな。」

たぶんマナなら練習なしでも無双だな。

仕事終わりでなんだかんだで大きな怪我は無さそうなマナを見て思った。

そんな俺は今年も怪我で出れないのかよ。

「マナ、俺、無理そう。」

「何言ってんのよ。学校行事を怠るなんて私許しません。出るわよ、体育祭。」

マナは行気に今まで出れてないのもあってかやる気に満ちていた。

そんなマナの元気そうな顔を見れて嬉しい。

仕事が終わり平和な日常へと戻る。そんな日々の日常が楽しい。

普通の人たちには当たり前のことだが。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ちょっと、放してよ、凛さん。」

「ふん、嫌だね。

約束を守れない奴を信じれるものか。」

「このばか力ゴリラ、うぅ、、イタイ」

いくら彼女が強くても、凛に純粋な力で勝つなんて10年はやい。

しかしここで素直に従う彼女でもない。

「ふん、私、米軍に協力してあげない。」

「千夏?それは違うと思うかな…だから協力しなさい」

「イヤですね。」

これなは流石の凛も困り果てた。社畜の凛にとって上司ほど怖いものはない。

もし、千夏が協力しなければ、米軍から借りた貸しをどうやって返そうか。思いつかない。

拘束を放し、千夏を解放する。

「わかればよろしい。」千夏はご満悦そう。

そんな千夏を見て凛はイライラしていたが、ここは穏便に済ませた。

「千夏ちゃん、これで米軍に協力してくれるよね?」

彼女は少し考えた後、何か思いついたみたいで

「うーん、もう一つお願いを聞いてくれるのなら協力してあげますよ、」

このクソガキ〜、私を舐めやがって。

顔は真面目そうに見えてコイツの中身は人を弄ぶ悪い子だと言うことを忘れてはいけない。

凛はイライラしていたがここは大人な対応で

堪えることにした。

「わかったわ。それは何?」


「ーーーーーー。」


「ーわかった、手配しておく。」

「わーありがとう、凛さんこれからもよろしくお願いします。長い付き合いにしましょうね。」

それはごめんだね。凛はこの日、千夏には弱みを見せないでおこうと、誓った。

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