10.1絶対絶命
「警備員、ただち、この二人を捕まえ…いや、始末でいい。」
エドワードの命令が下り黒服が迫ってくる。
「逃げるぞ、マナ。」
俺とマナは大勢の人がいる広場へと逃げ込む。
「顧客には銃を当てるな。探し出せ。」
敵の数はさらに増える。
一時的に隠れられたが見つかるのも時間の問題。
「マナ、入口のゲートをこえて道路まで走れ」
「待って、そこからどうするの?」
「車で逃げるんだよ。」
今は出来るだけはやくこの場を離れなければ。マナの手を掴み全速力で走る。
「おい、あっち逃げたぞ。」
バレたがそれは承知の上。
今回はこんなこともあろうかと、車を用意しておいた。経費で。
すぐに乗り込みアクセル全開です走り出す。
「道久、運転できるんだ。」
「オートマだけ練習してたんだよ。
手荒な運転だけど気にすんな。」
後ろから車が追ってくるのが見えた。
「もうきたのかよ。はやいな」
もつしかたない。
「マナ捕まってて…」
「ええ?」
信号が赤のところをドリフトして反対車線に侵入。
そのままさらに曲がって小道に入る。
どこかの広場に出て河川敷の道路へと飛び込んだ。
「…」マナはあまりのことにポカンとしてた。
「もう、道久の運転はごめんだわ。」
「まぁ、振り切ったんだし結果オーライで。」
「そんなこともないみたいよ。」
何かと思へぱ、超低空飛行する軍用ヘリが後ろにつけていた。
「ましがよ、それはなしだって。」
よく見ると黒服がロケットランチャーを構えている。
今こそあれを使うときなんだが、運転中で手が離せない。マナはうんてしたことないと思うし。そのまま避けるしかないのかよ。
もちろん相手は誘導弾だ。
かわせる代物ではない。
「マナ、このままではロケランです俺たちは終わりだ。
だから一か八かで皮に飛びこむ。
この車には元から爆弾があるんだけど…」
「爆弾?この後ろのやつ全て?」
「そう。」
「え、何。自爆用?」
「な訳ないやろ。
これでロケランの爆発を誘発させて爆発するタイミングを調整する。
そして、俺らは車を捨て、川に飛びこむ。
OK」
「NOって言いたいところだけど、やるしか無さそうわね。タイミングは?」
黒服はロケランを撃ってきた
「今、、!」
豪快な爆音と共に車は炎上。川に突っ込んだ。
俺とマナは計画とおりに爆発の前に車から出て川に飛び込み、爆風の熱で火傷したぐらいだった。
「マナ、大丈夫か?」
「ゴホ、ゴホ。ええ、なんとか」
「お二人さん。そこまでは運が良かったようだがこれで終わりかな?」
ヘリが近づいてきて乗っていたエドワードが銃を向ける。
もう、動ける力もない。さっきの衝撃で骨が折れて動けそうにない。それはマナも同じだった。
「はじめから自分の手で殺しとけばよかった。
これでさよならだ。少年。
そして死神。」
最初に俺の頭に銃口が向けられ俺は死を悟った。
銃が真っ二つにらなる前までは。