第236話 青狼の狩り 6
川辺で敵を撃位滅した青狼学級の生徒たちは、戦闘が終わってしばらくして昼食を摂った後、再び西に移動して村を襲撃しようとしていたブレヴァン侯爵軍の一団を背後から強襲し、こちらも散々に打ち破った。
この時ばかりは怪我人こそ出たものの、死傷者を1人も出すことなく、戦いを終えることができた。
襲撃を受ける寸前に助けられた村人たちから大いに感謝された生徒たちは、助けてもらったお礼を兼ねてその日は村で休む許可をもらったので、屋根のある場所を借りてゆっくり休むことにした。
もちろん、万が一に備えて生徒や借り受けているアルトイリス侯爵兵が交代で見張りにつき、逆襲される可能性への対処も怠らない。
そんな中、自らも見張りに立つレムリアの元に、副級長のセルニが声をかけてきた。
「ねえレムリア、一つ相談なんだけど、いいかしら?」
「もちろんさ。何かやりたいことが浮かんだ?」
「今日戦った敵の数を考えると、私たちの兵力はちょっと過剰かなと思うの。もちろん、兵力的優勢は大事だけど、二手に分けて動くくらいの余裕はあるんじゃないかしら」
「……そうだね、ちょうど僕もそんなことを考えていた。リスクはあるかもしれないけれど、元々は一撃離脱を繰り返す予定だったし、全員で動くよりその方が効率的かもしれない」
「それじゃあ、一度拠点となる場所を定めて、戦いが終わったらそこに戻ってくるという形で動きましょうか」
「うん、それでいこう。ただし…………もしどっちかが苦戦しても、助けに行くことはできない。そのことだけは覚悟してほしい」
「もちろんよ、それは織り込み済み」
こうしてレムリアとセルニは今いる1000人を半分の500人ずつに分け、それぞれをレムリアとセルニが率いて完全に別行動をすることで一致した。
この報が効率よく敵を襲撃できるし、さらに小回りも聞くようになるが、反面お互いが離れて行動することで、片方が負けても助けに行くことができないリスクもある。
念のため翌朝に、生徒全員にこのことを相談した結果、彼らの大半もレムリアたちの意見に賛成し、その場で2チームに分かれることとなった。
ローレルは特に賛成も反対しなかったが、どちらか一方だけについていくことはできないということで、彼女は合流地点となる場所で少数の兵と共に何かあった時に備えて待機することにしたのだった。
「自分たちで決めた作戦だ、お前たちの思う通りにやればいい」
普段から生徒たちに自分で決断するよう促した教育の成果が、ようやく開花するときが来たのだった。




