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聖剣を継げなかった少年は、魔剣と契りて暴君を志  作者: 南木
第6章 進む東帝国、乱れる西帝国
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第131話 ゼークトの相棒

 デルセルトたちは正式にアルトイリス家に加わるということで、奪ったばかりの要塞を引き払う準備を始めた。

 その間にリクレールは、壮絶な一騎打ちを演じたゼークトを気遣っていた。


「こんな結末にはなってしまったけれど……あの時僕の代わりに戦ってくれてありがとう、ゼークト」

「いや、いいんだ。俺も冷静さを欠いていた、止めてくれてなければ俺か向こうのどっちかが死ぬまで戦い続けただろうよ。俺よりむしろ、ドルドを気にかけてやってくれ」

「……確かに俺たちはあいつらのせいで仲間と住処を奪われましたが、結局それは俺たちが山賊行為を働いていた罰が当たったんでしょうな。むしろ、少なくはなりましたが、生きているだけ儲けものとしておきますぜ」


 ドルドは仲間の仇が、同じ陣営に加わることを多少は気にしている様子ではあるが、自らも山賊となって罪もない人々を襲っていたのだから、自業自得とも思っているようだ。


「それよりあんた、まだ若けぇのに随分と勇敢だったぜ。有名な騎士だったのか?」

「俺自身は平民の出だが、ちょいとばかし腕に自信があって、学問もそれなりに出来たから、街の有力者の口添えで東帝国の士官学校に入れたんだ。自慢じゃないが、腕っぷしならだれにも負けないぜ」

「そりゃあ心強い! あんたを見込んで頼みがある、俺たちは元山賊ではあるが、きっかり心を入れ替えてぇんだ。だから、正義感の強いあんたの下で働かせてはくれねぇだろうか」

「え、俺が!? いいのか?」

「いいんじゃないかな。ゼークトさえよければ、うってつけだと思うよ」


 ゼークトはアルトイリス侯爵家の家臣ではないのだが、リクレールもドルドたちを率いるのであれば、ゼークトのようなグイグイ引っ張っていくリーダーが相性がいいと考えた。

 そんなわけで、彼らもまたゼークト隊として組み込まれることになり、この先の戦場を戦い抜いていくことになる。

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