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【ハイファンタジー 西洋・中世】

転生した先は

作者: 小雨川蛙

 

 ある日、一人の無職の男が死亡した。

 その直後、今では珍しくもない奇跡が起こり男は女神の前に居た。

「初めまして。私は女神です。唐突ですが、私はあなたをある世界に転生させることにしました」

「どんな世界だ?」

 女神はくすりと笑って言った。

「あなたにピッタリの世界ですよ。何せ、そこでは生前無為に過ごした時間に応じて様々なスキルが手に入る世界なのですから」

 実に腹立たしい言い癖ではあったが、無職で何十年もテレビやパソコン、スマホを見るばかりの生活をしていた男にとってはこれ以上の朗報はない。

「ありがたいことだ。とっとと転生をさせてくれ」

 そう言って男は望み通り、その無為な時間を過ごしただけ強くなれる世界に転生をしたのだ。


 さて、転生後に男はとあるギルドの掲示板から伝説と呼ばれるほどの実績を持つ冒険者の事を知った。

 その冒険者は男の持つあらゆるスキルが一切通じないほどの実力を持っており、その力といえば一対一での戦いはおろか男と同等の力を持つ人間を百人集めたとしても戦いになるとは思えないほどだ。

「一体どんな怠惰な人間だったんだ?」

 羨望と侮蔑の思いに駆られながら男は数あるスキルの内の一つ『相手のステータスを調べる』を用いてその冒険者のことを調べた。

 表示されたステータスを見て男は言葉を失い、ぽつりと呟いた。

「……なるほどね。そりゃつええわ」

 男の視線の先には伝説の冒険者の前世の死因が記されていた。


『前世での死因:サービス残業で給料を一切もらえないまま過労死』

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