サーバックのラクダ
サーバックには、野良ラクダと町ラクダの2種類がいる。
町ラクダというのは、ミイラと雇用契約を結んだラクダとその子供たちだ。
衣食住をミイラの世話になる代わりに、ミイラの依頼に応じて、運搬の仕事をする。
子供ができれば、その子が成人するまで衣食住を保障するのも 雇用者たるミイラの責任だ。
もし 町ラクダが野良ラクダと恋をしてつがいに成りたいと言えば
雇用者たるミイラは、その配偶者ラクダも養わなければならない。
もしくは、「そんな勝手に被扶養者を増やすラクダなんぞいらん!」と言って雇用契約を破棄することも可能だ。
その場合、契約を破棄されたラクダは、新しい雇用者をみつけるか、
野良ラクダとなって、砂漠でラクダ仲間と一緒に暮らすことになる。
時には、ラクダの方から、雇用者からの待遇が気に入らないと言って
契約を破棄することもある。
この場合、契約破棄したラクダは、野良ラクダになるか 新たな雇用者をみつけるかである。
ちなみに、雇用者のいないフリーのラクダが町で暮らすには、
その町のあるオアシスの管理者と居住契約を結ばなくてはならない。
サーバックのラクダは、念話が使える。
キャラバンで生計をたてるミイラにとっては、
ラクダとの意思疎通は、必須スキルであるので、子供の頃からよくよく学び練習しているので、ラクダにとっても ミイラとの会話に困ることはない。
しかし、オアシスの管理者であるジン女性や、オアシスで働くジン男性が全員
ラクダ語=念話を得意としているわけではない。
しかも、ラクダは生物なので ミイラと違って水と食料を必要とする。
この 水と食料をオアシスにある町で手に入れようとするとお金がいる。
なので、ラクダだけで オアシス暮らしをするのは楽ではない。
なにしろ ラクダは体が大きい。
街の中で、運搬仕事を探して 建物の中にはいることができない。
狭い路地を通ることもむつかしい
ラクダだけで賃仕事を見つけるのは大変だ。
何しろラクダだけでは、荷物を背中にのせることができないから。
だから たいていラクダは 野良ラクダとして砂漠で、ラクダ仲間と生きるか
キャラバンの一員として ミイラと組んで仕事をするかのどちらかになる。