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第一話 隣のハイスペ美少女、意外とポンコツ?

初投稿です!よろしくおねがいします!

「「──え?」」


彼──島崎虎継(とらつぐ)と彼女──佐藤華音(かのん)の出会いはマンションのエントランスだった。


虎継が出会った少女、佐藤華音──ポニーテールに束ねられたチョコレートブラウンのストレートヘアーはさらさらとしていて光沢が見えるし、透き通るような乳白色の肌は肌荒れとは無縁であるような滑らかさである。すっと通った鼻筋に長いまつ毛、大きな瞳、まるで人形のよう、という表現がここまでふさわしい人間もそういないだろう


今年高校1年生になり、晴れて一人暮らしを始めた虎継だが、新入生代表として挨拶をしていた入学時主席(多分)の美少女が同じマンションに住んでいるとは、運命とはなんとも数奇なものである


「たしか、同じクラスの島崎さん?」

「え、うん、よく覚えてるね」


自分なんて入学式で話してた新入生代表の人だっけ?程度の認識だった虎継は改めて入学時主席(多分)ってすごいな〜などと感心しておく


「もしかしてここのマンションだったりする?」

「はい、島崎さんもこちらのマンションで?」

「うん」

「そんな偶然もあるんですね〜」

「ほんとだよな〜」


などと世間話をしているが、虎継は内心超焦っていた。


(え?この人いつまでついてくるの?てかこんな美女と同じマンションって俺大丈夫?殺されない?)


後者はともかく前者はもっともな疑問だった

そしてその疑問は最悪な形で答えを得ることになる


「「──え?」」


本日二度目のハモりだった


「あー、隣?マジで?」

(俺ほんとに殺されるのでは?)

「まじ、みたいですね」


華音も信じがたいようで、しきりに部屋番号を確認している


「…まあ、お隣さん同士、仲良くしていこう」

「そうですね、これからよろしくおねがいします、島崎さん」


そして2人は扉を開け、お互い部屋に入っていく


いくら隣とはいえ、そこまで関わることもないだろう

段ボールが山積みになった部屋で虎継はそう思っていた

この時は

本当にこの瞬間だけはそう思えていた


「きゃーー!!」


となりの部屋から聞こえてくる悲鳴と何かが勢いよく崩れ落ちる音


「佐藤っ!どうしたんだ!」


部屋から飛び出し、ドアをノックするが、応答はない

鍵はかかっていないようだ


「入るぞ!」


ドアを開け飛び込んだ先で虎継が見た光景は、無惨に崩れた段ボールとそれの下敷きになっている華音だった。足元には衣類が散乱している


(意外とポンコツだったりするのかな?)

「あ…島崎さん…」

「ごめん!悲鳴みたいな声が聞こえたから…」

「いえ、それについてははいいんです、あの…すごく申し上げにくいんですけど…助けてもらえませんか?」

「あ、あぁ」


華音に手を貸し立ち上がらせる


「もしかして、佐藤って整理とか苦手?」

「お恥ずかしながら…家にいた頃はお手伝いさんが全部やってくれていたので…」

(お手伝いさん?!裕福なんだな)

「あの…島崎さんにお願いがありまして…」

「ん?どした?」

「家事を、教えていただきたいんです…」

「そんなことでいいなら全然教えるよ」

(俺、刺されなきゃいいな~)

「ありがとうございます!」

「まぁ今日は片付けだけだな、俺も夕飯あるし」


こうして虎継はほんの数分前の自分の予想を裏切り、お隣さんの美少女とただのお隣さんと言うには大きすぎる関係になってしまうのだった

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