8.まるで時間を揚げたかのように…飛ばないで!
今日も朝起き、食事をし、瞑想をする。
今までで1日心を無にできる日はほとんどない。
余りにも厳しいので、自分なりにもう少しハードルを下げようと思った。
考えないことは難しいので、数を数えるとか何か1つに集中することにした。
それで雑念を消してから、その1つに対する意識を薄れさせていく。
2段階で攻略しようと思った。
そして、シンプルに数を数えることにした。
瞑想の時以外でも、いや、意識があるときは常に数を数えることにした。
1、2、3……
1万1、1万2……
桁がでかすぎると、そこに意識がいってしまうので、1から100までをループすることにした。
さらに数日が過ぎた
1から100までを数え、また1から100までを数える。
何も考えないようにするよりも、ずっと何も考えないようにしていられる。
いずれはこの数を数えるという意識そのものを消していく必要はある。
棒を振るときに散々過去を振り返ったりしていたが、瞑想してるときもふと後悔したことが出てくる。
それほど長い期間、体験したわけではないなのに後悔し続ける期間はそれよりはるかに長いのは理不尽だなと思った。
転生前では、日々何も考えずに生きてきたようなものなのに、いざ何も考えないとなるとこれほど難しいとは思わなかった。
雑念をなくすことはできなくても、最初に比べると雑念を薄れさせていることは間違いないと思った。
最初はそれすら不可能だと思っていたが、長い期間やり続ければそれなりの形になるものだと思う。
しかし、そこから全く何も考えないようにするというのは果てしないように思えた。
早く解放されたいというより、できない状態をずっと続けることが何となく嫌だった。
忍耐力に関しては全く才能がないと思う。
しかし、ここでは忍耐力が最も要求され続け、向いてないな、向いてないなと思う日々が続く。
数年が過ぎた
身体を動かさずに、ただ数を数えることがこれほど精神的にきついとは思わなかった。
サトシの方を見ると、もはや表情などなかった。
魂が薄くなってるような、認識することが難しい存在になっているようだった。
今日も数え続ける。1、2、3、…
数十年が過ぎた
……、……、……
カンガエレルコトハスバラシイ。
カラダヲウゴカシタイ。
ヒトトハナシガシタイ。
タスケテ。
頭の中でこのように考えてるわけではなく、魂がそう言ってる。
時間さえかければ、きっと誰でも心を無にできるかもしれない、魂がそう言ってる。
仮に心が無になっても、魂は本当の思いを叫び続けるかもしれない。
200年程が過ぎた
空っぽになった。
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