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28.笑顔で僕たちを見てるだけだった

何もしたくない。

疲れた。

楽になりたい。

苦しまずに死にたい。


そんな思考が僕たちの中で廻っていた。


そんな中、僕達はじーちゃんに出会った。


気づけば、冒険者として活動をせず、じーちゃんの家にいた。


じーちゃんは昔、冒険者として活動をしていたらしい。

今は、その時に稼いだお金で暮らしているようだった。


僕達が目指している生活だ。

ずっと冒険者なんて嫌だ。


いつ死ぬかわからない。

いつも理不尽な目に遭う。


誰も殺したくなんてない。

何も殺したくなんてない。


でも、お金を稼がないといけない。


そんな不安から早く解放されたかった。



じーちゃんが僕たちにパンをくれてから、僕達はじーちゃんの家に入り浸った。


「冒険者つれーよ」


僕達がそういう度に、


「そうじゃな」


そういって、優しい目で頷いてくれた。


非難せず、ただ、ただ優しく受け入れてくれるじーちゃんのところが居心地が良かった。


お腹が空いたらご飯を出してくれる。


そう、冒険者として働かなくていいんだ。


命をかけなくていいんだ。


理不尽な目に遭わなくていいんだ。


そんなことはあり得ないと心の中では思っていても、僕達はその優しさに、甘さに、依存していた。


窓から空を見上げると、今日も晴れていた。


ずっと続くと良いな。


心から僕たちはそう思っていた。


ずっと続くことはない。


僕達は分かっていた。


それでも、動き出したくなかった。


「ゴホッ、ゴホッ」


じーちゃんはいつものように布を口に当てた。


そして、布を見たじーちゃんは少し残念そうにしていた。


「大丈夫?」


僕達はいつものようにじーちゃんに言った。


「大丈夫じゃよ。 ありがとう」


じーちゃんは優しい目をして、僕達にお礼を言った。


そして、笑顔で僕たちを見てるだけだった。

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