表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/29

27.雨は冷たかった。暖かった。

 仰向けになった身体は動かなかった。


 雨が僕の顔にぽつぽつと落ちた。


 とても冷たかった。


 とてもアツカッタ。



 「じーちゃん、もういいよ」


 「若いもんはしっかり食べないといけない」


 そういって、じーちゃんは僕たちにあつあつのパンを皿の上に置いた。


 

 初めて。


 初めて、殺意を持って人を殺した日。


 僕は、僕達は疲れ果てた。



 「おい、これでも食え」


 そういって、僕達の前にパンが差し出された。


 年は60を過ぎてるのだろうか。



 「なんで…」


 僕は上手く言えなかった。


 「なんで、優しくしてくれるんだよ」


 時間はかかったが、やっと言えた。


 老人は困った顔をした。


 「人はお腹が空くものだ」


 僕たちはじ~っと老人の目を見た。


 老人は苦笑いをした。


 「腹が減ってるだろう?」


 老人は優しい声で言った。


 

 そう、この日は雨が降っていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ