20.ジジョウ
翌日の朝、冒険者ギルドの建物に行った。
そこで手紙を受け取った。
昼頃、宿に迎えに来るようだ。
昼頃、宿の外で待っていると、1台の馬車が止まった。
馬車から降りてきたのは、燕尾服を来た、銀髪の男だった。
「よう」
と、昨日戦った男が声をかけてきた。
「執事だったのか……」
「まあ、使用人かな。 昨日の通り、主に裏方のな」
「そうか……」
「さて、乗ってくれ。 早く会いたいんだろ?」
「そうだな」
道中、会話はなかった。
互いに口数が少ないタイプのせいだろう。
目的地に着く少し前のことだった。
「俺の主は、この辺りで有力な商人だ」
「有力な人身売買の商人ということか」
俺は少し嫌な言い方をした。
「全く違うとは言えないな……」
商人の館に着いた。
入り口から、館までそれほど距離があるわけではなく、思ったより質素だなと感じた。
銀髪の男に着いていく。
案内に従っていくと、長テーブルのある部屋に着いた。
「ジギンだ。 元Aランク冒険者だ。 今は商人で手広くやっている」
色黒で、スキンヘッドの男が座ったまま挨拶をしてきた。
「座ってくれ」
そう言われ、俺は椅子に座った。
座る際にメイドの女性が椅子を引いてくれた。
「俺はな…… メイド服を着た、若い女性が好きなんだ!」
ジギンは唐突にそう言った。
俺は商人の後ろで待機している銀髪の男を見ると、男は顔を逸らした。
こうして、ジジョウというやつを聞いた。
ジギンが冒険者になる前から新人の女性冒険者は死亡率が著しく高かった。
実際、一緒に冒険者になった仲間の多くは、ランクがF、G辺りで死んでいってしまった。
他に職がないため、適性がないとしても冒険者を選ばざる得なかったようだ。
商人になって何とか職を作って、受け皿を作ろうと考えてはいたが、現実問題難しかった。
やはり、どの職も自分の子供が継いでいくことと、他の人を雇うだけの余裕がないようだった。
ただ、手が届く範囲で手助けをしている。
具体的には、素養が何もない女性には、メイドとしての教育を施し、知人の貴族や教育されたメイドを欲している有力者に紹介している。
他に、魔法の素養がある女性の場合は、メイドとしての教育に加え、生活で使えるレベルまで魔法の教育を行っている。
魔法が使えるメイドについては引く手数多のようだった。
ただ、教育に時間とお金がかなりかかるため、素養があっても育てようとは思わないようだった。
また、彼女たちをジギン自体が経営している飲食店等の店員として雇っている。
少数ではあるが、重度なけがをした冒険者や引退した冒険者を用心棒兼店員として雇っているようだ。
他に、物品の輸送も手掛けており、冒険者に対し比較的安全な仕事の提供をしている。
もちろん、賊に狙われることもあるが、ジギン自体がかなり有名な冒険者の様で手を出す程勇敢な奴らは少ないらしい。
実際に手を出した賊は全て殺し尽くしたようだ。
俺はすごい奴だなと思った。
転生前の世界と異なり、この世界は優しくない。
特に、実力がない冒険者には……
「こんな話を俺に聞かせてよかったのか?」
「知ったら、俺を殺さないだろう?」
「アリスとハル次第だな」
「俺に雇われないか?力があるやつが欲しい」
「今は誰にも雇われる気はないな」
「その気になったらいつでも言ってくれ」
「わかった」
ジギンが頷くと、メイドの女性がドアを開けた。
メイド姿の二人の女性が部屋に入って来た。
やっと会えたと思った。
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